男性のルックスは髪型に大きく左右される。男性にとっての「整髪料」は、女性にとっての「化粧品」と同じようなものだ。
外見に気を使う男性は、整髪料にもこだわる。
とはいえ、ワックスやジェルなどの整髪料は、「種類が膨大にありすぎて、どれを選べばいいかわからない」という人が多いのではないだろうか。
検索してネットに出てくる「おすすめワックス」などの記事は、SEO対策・商品の販売目的で、たくさんの製品をただ並べただけのものが多い。そういうのにうんざりした人も多いと思う。
この記事は、メンズ整髪料を紹介していくが、過去に一度は自分で使ったことのあるもので、「このタイプのワックスならこれ!」という定番のものだけを紹介する。
また、商品の説明よりも、「どういう用途で使うか」「どういう髪質の人に向いているか」を重点的に解説する。
目次
メンズ整髪料の種類と名称について
具体的な製品を紹介する前に、「スタイリング剤」について概説する。
メンズ整髪料には、ワックスだけじゃなくて、ジェル、グリース、ポマード、ムースなど、色んな名称がある。
いろいろ名前はあるけど、「どれもワックスのバリエーションのひとつ」だと思えばいい。
メンズ整髪料を使う意味は、「形を固定」と「質感を表現」だ。
「形を固定」に関しては、「セット力」「キープ力」といった言葉で説明されることが多い。固定する力の強いものは「ハード系」のワックスとよく言われる。
「質感を表現」に関しては、「ツヤ感」「オイル感」「束感」「リキッド感」「マット感」などの言葉がよく使われる。整髪料の種類によって、表現できる質感が微妙に異なる。
ジェル、グリース、ポマードなどの整髪料は、「形を固定」と「質感を表現」が目的であることはワックスと同じだが、「リキッド感(濡れた感じのツヤや光沢)」を出しやすいのが特徴。
ワックスは、「クリームタイプ」のものが基本だが、繊維が入った「ファイバーワックス」や、「マット感(乾いてふわふわした感じ)」を出しやすいペースト状の「ドライワックス」などの種類があって、用途や髪質によって使い分ける。
これらの整髪料の違いについて、特に意識して覚える必要はない。自分の髪質に合っているものを選べればそれでいい。
ハードタイプのワックス
「セット力」「キープ力」の高さを重視するワックスは、「ハードワックス」と呼ばれることが多い。
髪を動かしたり、持ち上げたりと、スタイリングをガッツリする人にとっては、「むしろハードタイプが基本」だったりする。
特に男性は、短髪のヘアスタイルの人も多く、短髪なら、バランスタイプやソフトタイプよりも、「ハードタイプ」が規準になるだろう。
なお、ワックスは基本的に状で、ここで紹介するのも「クリームタイプのハードワックス」だが、のちに紹介する「ファイバータイプ」や「ドライワックス」という種類のワックスもある。
ファイバー(繊維)やドライ(ペースト)は、クリーム状のハードタイプよりもさらに「セット力」や「キープ力」が高いので、「ハードタイプだからといってセット力が最大」というわけでもない。
アリミノピース フリーズキープワックス
リップス ハードブラスト
ギャツビー ムービングラバー スパイキーエッジ
バランスタイプのワックス
ワックスには、「形を固定」と「質感を表現」のふたつの目的があるが、バランスを重視するタイプのワックス。
良く言えば万能だが、悪く言えば器用貧乏で、「形を作りたい」という目的が明確なら、ハードワックスやジェルのほうが好まれることが多い。
ただ、ワックスは「混ぜて使う」「併用して使う」ことが当たり前で、バランスタイプのワックスを持っておくと、スタイリングの幅が広がる。
もちろん、それなりの長さの髪の男性の人は、普通に使っても十分な効果を発揮する。
アリミノピース ソフトワックス
ソフトタイプのワックス
「グロスワックス」、「ニュアンスワックス」と呼ばれることもある。
セット力、キープ力が弱めで、セットの下地として使ったり、質感を表現することを重視したワックス。
あまりベタつかず、いい感じのツヤや陰影を作り出してくれて、自然にフォルムを整えたり、なんとなくボリューム感を出したりできる。他のワックスと混ぜて使うことも多い。
ツヤ出しに関して言えば、「ヘアオイル」や「流さないトリートメント」を使う人が多く、その意味では影が薄いかもしれない。
「ワックスを付けてる感がない」髪型を目指すなら、ソフトタイプもアリ。
オーシャントリコ エアー
ファイバーワックス
ワックスには、繊維(ファイバー)が混ぜられた「ファイバーワックス」がある。
ファイバーワックスの特徴は、「伸びやすいのに、固まると硬い」こと。
水分と油分が多くて「ツヤ感」がある一方で、ファイバーが入っているので「セット力」が非常に高い。
髪質が太くて硬い人や、クセ毛の人、パーマをかけている人でも使いやすい。「束感」を演出したいときにも有用。
「操作性の高さ、ツヤの出しやすさ、セット力の高さ」と、「いいとこ取り」と言っていいくらい、性能が高いし、人気も高い。
上で紹介した「ハードワックス」では固さが物足りないという人は、ファイバータイプのものを試してみるといいだろう。
ナカノ タント 4番
オーシャントリコ シャインオーバー
ドライワックス
「マットワックス」「クレイワックス」とも言われる。
油分や水分が少なく、ペースト状、粉っぽい感じで、セット力が高い。
このタイプの製品を説明するときに、よく「マット感」という言葉が使われる。「マット感」は、女性の化粧品などでも使われる言葉だが、「ふわふわと乾いている感じ(ウェットの対義語)」みたいな意味。
「ドライワックス(マットワックス)」は、軟毛、細くて柔らかい髪のタイプの人に向いている。
細くて柔らかい髪質の人は、ツヤ感やウェット感があまり似合わないので、あえてツヤを出さないドライワックスのほうがセットしやすく、ボリューム感を演出しやすい。
ドライワックスは、クリームタイプやファイバータイプと違って、伸びが悪く、粉っぽい。そのため、硬めの髪質の人だと引っかかったりして使いにくい。
軟毛、薄毛タイプの人以外でも、「あえてツヤを出したくない」などの用途で使われることもある。
ウェーボ ドライワックス
デューサー ドライペーストワックス
オーシャントリコ クレイ
ジェル
男性の整髪料には、「ジェル」という種類のものがある。ジェルも、「形を固定」と「質感を表現」が目的という点では、ワックスと同じ。
ジェル、グリース、ポマードは、「ウェット系」の整髪料と言われることが多い。上で紹介した「マット系」が乾いた感じだとすると、「ウェット系」は濡れた感じ。
パサつきをカバーでき、大人っぽい感じが出せるので、年齢が上がるほど「ウェット系」を使う人が多くなる。
髪に馴染みやすく、ウェットなツヤと光沢を出しやすい。セット力が非常に高い上に、ワックスよりもシャンプーで落としやすい。一方で、分量を間違えると、粉をふいて白くなってしまったり、パリパリになってしまう。
用途はワックスと同じだけど、ワックスとはまた違った感覚なので、気になるなら試してみて損はない。黒髪の社会人男性のスタイリングなら、ジェルを使ったほうがやりやすい場合も多い。
ロレッタ ハードゼリー
エヌドット N.オム ジェルグリース
グリース
ウェット感があり、ツヤを出しやすい整髪料。特徴はジェルに近い。「威力控えめなジェル」みたいな感じ。
ジェルほど極端にパリパリになったりせず、ワックスに近いベタベタ感もあって、ジェルとワックスの中間のような使い心地。
汎用性が高く、様々なスタイリングに応用できる。
ワックスと併用して、ツヤ感などの目的で使うなら、グリースのほうがやりやすいかもしれない。特に黒髪社会人の男性なら、一本持っておいて損はない。
クールグリース
クックグリース
ナカノ モデニカ グリース
ポマード
「ポマード」は、「グリース」と似たようなもの。
ポマードのほうが歴史が古く、クラシカルな雰囲気を重視した製品は、「ポマード」という名前にしていることが多い。
水溶性のものを「グリース」、油性のものを「ポマード」と分類することもあるようだ。ただ、現在「ポマード」として世に出されているものは、水溶性のものが多く、油性のものはシャンプーで落としにくいので、あまり使うメリットがない。つまり、実質的に「ポマード」と「グリース」は同じ意味。
バブロポマード ストロングホールド
ムース
「フォームワックス」と呼ばれることもある、泡状の整髪料。
単体で使うというよりは、質感、クセ、動きのまとまりを付けるための「下地として使う」イメージ。
泡状なので、髪に馴染みやすい。加齢によって髪が細くなってくると、ムースによってヘアセットの下地を作ったほうが、うまく行く場合が多い。
スパイスフォーム ワックス
スプレー
「形を固定」する効果を補正してくれるスタイリングアイテムが「ヘアスプレー」。
髪をセットしたあとに使い、コーティング成分を吹きかけて、「キープ力」を上げる。
「盛る」タイプの髪型とか、「束感」の強い髪型をする人はよく使う。
「スプレーをかけただけで?」と思うかもしれないが、形を維持する効果はかなり高い。ホストやキャバ嬢はもちろん、オシャレな大学生や美容師は愛用している人もいる。
オーシャントリコ ユニバーサルハードスプレー
ヘアオイル
「ヘアリキッド」「流さないヘアトリートメント」とも言われる。
「形を固定」ではなく、「質感」や「髪のケア」のために使う。
シャンプーのあとや、ヘアセットの前に、髪に馴染ませるようにして使う。髪のケアにもなるし、ツヤ感やテクスチャーを出すベースとして使えて、汎用性が高い。
ソフトワックスやグリースなどでツヤ感を出そうとするよりも、ヘアオイルをうまく使ったほうが、自然かつ髪に優しいツヤ感が出せるかもしれない。
ただ、ヘアオイルは、どれも価格が高いのがネック。
リップス ベーススタイリング ヘアオイル
ヘアスタイリングは日々の試行錯誤
以上、いろいろと紹介してきた。気になるものがあれば試してほしい。
なお、整髪料は、混ぜて使ったり、併用したりすることが当たり前に行われる。
「匂いなどが混ざって変な感じになるのでは?」と思うかもしれないが、意外とそうでもない。
まったく違うメーカーから出ているものを併用するというのも、普通によくある。
不安ならば、「オーシャントリコ」や「リップス」など、同じメーカーから出ているもの同士を混ぜて調整すれば、そんなに変なことにはならないだろう。
どういう配合が自分にとっていいのかは、YouTubeのスタイリング動画を参考にしたり、自分で試して見つけ出していこう。
スタイリングの参考動画については、下のページでまとめているので、よければ参考にしていってほしい。

「整髪料」は、嗜好品としての性質もあり、こだわるほど楽しくなる。
毎日のスタイリングは、面倒くさいと感じることも多いだろうけど、楽しみながら試行錯誤することが、上達するためのコツ。
男性は、「昔からのものをずっと使い続ける」タイプの人が多いだろうけど、最近だと「オーシャントリコ」シリーズとか、安くて優れたスタイリング剤が出てきているので、たまには新しいものに手を出してみるのも良いと思う。
特に、「ファイバーワックス」は、クリームタイプよりも強力で、いつものスタイリングがより簡単になる場合があるので、けっこうおすすめ。
軟毛や薄毛に悩んでいるという人は、「ドライワックス」を使うと、自分の髪に合っていると感じるかもしれない。
自分の髪質やイメージに合った整髪料を見つけられると、日々のヘアスタイリングに新しい刺激と楽しみが加わる。
以上、「メンズ整髪料のおすすめ」について解説してきた。
当サイトでは「ヘアカット」や「ヘアケア」の解説動画も出しているので、よければこちらも見ていってほしい。


また、髪型に限らず、当サイトでは、スキンケアやヒゲや眉毛など「メンズ美容」について幅広く解説記事を出している。興味があれば以下のページも参考にしていってほしい。

