女性に対して「どういう外見が好き?」と聞くと、「清潔感のある人が好き」「清潔感があればこだわらない」などの返答が返ってくることが多い。
この、女性が言いがちな「清潔感」が、物理的・医学的な意味における「清潔」と違うことくらいはわかるだろう。
結論から先に言うと、「清潔感があるかどうか?」は、「社交的かどうか?(外見にコストをかける傾向があるか?)」の指標として見られている。
そしてそれは、女性側の視点からすると、けっこう合理的なことではあるのだ。
今回の記事では、
- 女性が言う「清潔感」の本当の意味は何か?
- 「清潔感のある人が好き」の本当の意図は何か?
- 「清潔感のある人」になるためには何をすればいいか?
を解説していく。
目次
「清潔感がある人」の正体は、「社交的な傾向のある人」
男性の容姿における「清潔感」は、具体的には
- 鼻毛などのエチケットができている
- 髪型をスタイリングしている
- よれた服装をしていない
- 無精髭や青髭などをケアしている
などが重視される。
別にこれは、物理的・医学的な意味の「清潔」とは、それほど相関がない。
シャンプーで洗ったままの髪の毛と、整髪料でセットした髪では、前者のほうが清潔ではあるけど、「清潔感がある」と見なされるのは後者だ。
女性の言う「清潔感のある人」を言い換えると、「社交的な傾向のある人(外見のためにコストをかける傾向のある人)」という意味だ。
女性は、社交的な人を好ましく思いやすく、それゆえに外見において、「清潔感(外見に適切なコストをかけているか?)」を重視しやすい。
「外見にコストを支払う」というのは、「ヘアセットや身だしなみに手間を支払っているか」みたいな意味。
男性からすると、このような女性の判断には文句を言いたくなるかもしれない。「外見がキッチリしている人間は、軽薄で胡散臭い場合が多く、本当にスゴいヤツほど、あまり髪型とかファッションを意識しない。熱心にやるべきことのある男は、外見にコストをかけたりしない」と男性は考えがちだし、それが間違っているわけではない。
だが、女性側からすれば、「清潔感のある人が好き(社交的な傾向を好ましく思う)」なのは、合理的な判断規準なのだ。
女性が「社交的な人」を好む理由
これは、エリック・バーカー『残酷すぎる成功法則』という書籍に載っていた話なのだが、「社交的な傾向のある人ほど、社会的に成功する期待値が高い」。
この話は、『残酷すぎる成功法則』第4章に載っていたのだが、
- 「内向的」な傾向のある人
- 「社交的(外交的)」な傾向のある人
このふたつで、「どちらがより成功しやすいか?」を調査した研究がある。
調査の結果は
- 「社交的な人」は、平均的に成功しやすい
- 「内向的な人」は、平均的に成功しにくい。一方で、トップ層だけを見ると「内向的な人」の比率が多い
ことがわかった。
アスリート、アーティスト、学者、起業家など、トップクラスの成果を出した人は、「内向的」なタイプが圧倒的に多い。
一方で、「内向的な人」は平均的には「外交的な人」よりも成功できない。つまり内向性は、一部のトップクラスを作り出すが、残りは死屍累々なのだ。
- 「社交的な人」は、平均的に成功しやすいので期待値が高い
- 「内向型な人」は、突出した成果を出す者と、まったくダメな者に別れる
「女性はチャラチャラした上辺だけの人間が好きなんだろうな」と男性は不満を懐きやすいが、成功の期待値が高い「社交的な人」を好ましく思いがちな女性の判断は、基本的には間違っていない。
「期待値で判断される」の段階の学生時代などは、社交的な「陽キャ」タイプがモテやすいが、実際に「陽キャ」のほうが平均的には成功する期待値が高い。
「陰キャ(内向的なのに目に見える成果を出しているわけではない)」がモテないのは、女性側からすれば妥当な判断ではある。
やや悪意のある言い方になるかもしれないが、女性が言う「清潔感のある人が好き」は、「外見に気を使わないほど社交性がないのに、目に見える成果を出したわけでもない人間は、私に近づかないでほしい」という意味。
逆に言えば、大きな結果を出した人は、清潔感を求められない。「何らかの目に見える成果」を出している「トップ層の内向型人間」の場合(何らかのプロや大金持ち)は、清潔感などなくても女性からモテる。
その男性が成功するかどうかを判断する場合、「陽キャ(外見にコストをかける社交的な人間)」を好ましく思うのは合理的なのだ。
個人競技よりチームスポーツのほうがモテやすいという話
さらに補足すると、「個人競技よりもチームスポーツのほうがモテやすい」という話がある。
「内向的な人」の突出した成果が評価されるようになったのは、様々な社会制度が整備された後のことだが、人間の本能の大部分は、社会が整備される前の、狩猟採集生活の時代に形作られている。
この手の「狩猟採集時代に人間の本能の大部分が作られた」という話は、『サピエンス全史』などのベストセラーが話題になって有名なので、知っている人は多いと思うが、近年では「進化心理学」と呼ばれてピックアップされることも多い。
モテに関しての進化心理学で、わかりやすいものをひとつ言うなら、「チームで協力する男性は魅力的に映る」というのがある。
「狩り」や「戦争」においては、個人の能力よりも、チームを組んだ男たちが機能的に協力し合うことが、成功の要因になりやすい。
メディアや興行のイメージでは、総合格闘技などのチャンピオンが「強い人間」と認知されやすいが、実際の戦争に近いのはサッカーやバスケなどのチームスポーツである。
そして、(どんなスポーツでもプロ競技者ならモテるというのは置いておいて、)学生の部活動レベルであれば、柔道部や剣道部のような個人競技よりも、バスケ部やサッカー部のようなチームスポーツをやっている人のほうがモテやすい。(これを学生時代に痛感した人は多いのではないだろうか)
理不尽な話かもしれないが、「道着をマメに洗濯している角刈りの柔道部」よりも、「靴が泥だらけでヘアワックスをつけているサッカー部」のほうが「清潔感がある」のだ!
もっとも、学生を卒業したあとはスポーツ云々はほとんど関係なくなるし、現代社会では、動物を狩猟したり、他部族と戦争したりはしない。
現代社会の多くの場面においては、身だしなみや服装で、その人の性向を判断するしかない。
そんなとき、「外見(他人から見られること)にコストをかけている=清潔感のある」ほうが、「チームで協力できる男性である」と勘違いされやすく、だからこそモテる。
そういう理屈になっている。
「清潔感」は、くだらないことだからこそ、手っ取り早くクリアすると良い
「清潔感」とは、ようは「コミュニケーションのためにコストをかけているか?」なのだが、それは別に本質的なことではない。
男性は、「そんなことで価値を評価されるなんてくだらねえ」と思う人が多いかもしれない。実際に、そういうくだらないものを無視して、突出した成果を出すことにすべてを注ぎ込むのもアリだと思う。
だが、タネがわかれば大したものではないので、「清潔感」程度のことは、手っ取り早くクリアしてしまうのがいいだろう。
くだらないことなのだが、それに対してグチグチ不満を言っても得るものは特にないので、「くだらないからこそ、なるべく楽にクリアしてしまおう」という意識で取り組むといい。
実は重要なのは、「コミュニケーションのためにコストを支払っていると他人から見られるか?」であって、実際にコストを支払っている必要はない。やるべきことを最短でやってしまえば、「清潔感のある人」と見られるための身だしなみは、そんなに大変なものではない。
「清潔感」を演出する上でウェイトが大きいのは「髪型」と「服装」だ。
- 自然体な髪型よりも、セットした髪型
- カジュアル、ラフな服装よりも、フォーマルな服装
を意識すると、「清潔感がある」と見られやすくなる。
「髪型をセットしたからって清潔というわけではないし、フォーマルな格好だからって清潔なわけじゃないだろ」というのはまったくその通りなのだが、「自然なまま」ではなく「ケアしている感じ」を出すのがポイントになる。
「髪型」と「服装」の他には、
- 鼻毛や耳掃除などのエチケットを完璧にする
- 眉毛が野暮ったくない形に整える
- 無精髭や青髭が目立たない
- スキンケアができていて肌が綺麗
- だらしない体型ではなくスマートである
などが「清潔感がある」と見なされるための要素になる。
エチケットや眉毛はともかく、青髭、スキンケア、ダイエットなどは、一朝一夕でできるものではなく、「身だしなみ」というよりは「美容」に類するものになる。
当サイトでは、髪型、服装、エチケット、眉毛、青髭、スキンケア、ダイエットなど、個別にメンズ美容の記事を書いているので、よければ参考にしていってほしい。




