ダイエットの正しい知識まとめ!基礎代謝、GI値、チートデイなどを理解できているか?

痩せたい人に向けて、ダイエットの正しい知識を解説する。

ダイエットの基礎的な知識について、正確な情報をまとめた記事があれば便利だと思って書いた。

基礎代謝、血糖値とインスリン、GI値、ベジファースト、糖質制限、ケトジェニック、ローファット、チートデイなど、「ダイエットするならこれは知っておきたい」という内容のまとめ。

「理屈」と「エビデンス」を重視しながらも、なるべく簡単な説明を心がけた。よければ見ていってほしい。

詳しい人ならすでに知っている知識かもしれないが、これからダイエットを始める初心者にとってはどれも有益な内容だと思う

「カロリー」と「代謝」と「吸収」の基礎知識

「消費カロリー」が「摂取カロリー」を上回れば、人間は痩せていく。

当たり前のことだが、基本的なことを勘違いしている人はけっこう多い。

例えば、「1週間で3キロ痩せた」という実体験を持っている人は多いと思うが、計算上、そんなに短い期間で3キロの脂肪が落ちることはない。

このような誤解をしないためにも、「代謝とカロリー」についての正確な知識を得る必要がある。

基礎代謝、食事誘発性熱、活動代謝

人間がカロリーを消費する代謝は、大まかにわけて

  • 「基礎代謝」……生命を維持するのに使うカロリー
  • 「食事誘発性熱代謝」……食べた物を消化するときに使うカロリー
  • 「活動代謝」……身体や脳を働かせるときに使うカロリー

がある。

「基礎代謝」は、ただ生きているだけで消費するカロリー。筋肉量などの個人差もあるが、目安としては、65キロの成人男性で1500kcalほど。50キロの成人女性で1100kcalほど。

「食事誘発性熱代謝」は、食べ物を消化するときに使うカロリーで、200〜300kcalほどあるのでバカにはできないが、「基礎代謝」に含められることも多い。

「活動代謝」は、ほとんど動かない生活をするか、ハードな運動をするかで、まったく異なる。(ハードな運動を「運動代謝」と分類することもある)

これらの、「基礎代謝」「食事誘導性熱代謝」「活動代謝」の合計が、1日の消費カロリーになる。

keisan」などが有名だが、年齢、身長、体重などを入力して、消費カロリーの大まかな数字を出してくれるサイトがあるので、自分が1日にどれくらいのカロリーを消費しているのか、なんとなく把握しておくといい。

正確な数値は、体脂肪率を測ったり、「活動代謝」を細かく計算する必要があるが、そもそも人間の代謝や吸収自体が複雑なので、そこまで厳密に測定してもあまり意味がないかもしれない。

大まかに、成人男性は1日に2000〜2600ほど、成人女性は1500〜2100ほどカロリーを消費している。もちろん筋肉量が多かったり、たくさん運動していれば、消費カロリーは増える。

 

脂肪1kgあたりのカロリー

一般的には、「脂肪を減らす=痩せる」と考えられていると思う。

脂肪は、1kgあたり約7200kcalとされている。

単純計算で、1日の消費カロリーが2400kcalの人が、3日間まったくカロリーを摂取しなかった場合に、やっと1kgの脂肪が落ちることになる。

1kgの脂肪を落とすのは、とても大変なことなのだ!

もっとも、500mlのペットボトル2本ぶんの重さの脂肪が消えると考えると、1kgの減量でもかなり痩せたことになるし、見栄えも変わる。

ここで重要なのは、「短時間で何キロも脂肪が落ちることはない」という基礎知識だ。

ではなぜ、「短時間で数キロ痩せた」と誤解しやすいのかというと、「水分」が原因。

 

長期スパンで見なければ本当に痩せたのかわからない

1kgの脂肪が7200kcalとすると、成人男性が3日何も食べないで、やっと1kgの脂肪がなくなる計算になる。

ただ、実際に3日間何も食べなかった場合、体重は3kg以上は減るだろう。これはどういうことなのかというと、主に水分が減っている。

人間の身体には、炭水化物や塩分が「水」と結びついた状態で身体に蓄積されている。これは短期的に減ったり増えたりするもので、「浮腫(むくみ)」と言われたりもする。

夜ご飯を1食抜けば、翌日は体重が1キロほど減っているかもしれない。ただそれは、短期的に蓄えられた炭水化物が消費され、その炭水化物と結びついている水分が排出されることによる体重の減少だ。

「1週間で3キロ痩せた」などというのも、実際に減った脂肪は1kgほどで、あとの2kgはほとんど水分なのだ。

短期的に減ったぶんの体重は、糖や塩分を通常通りに摂取すればすぐ戻る。これはリバウンドというより、そもそも人間の体重は1〜3キロ程度は簡単に上下するものだから。

例えば、2リットルの水を飲み干すことはそこまで難しくないが、そうすると体重は2キロ増えたことになる。もちろんその水分はすぐに排出されて元に戻る。

人間の体重は、短期的な水分量で数kg程度は簡単に上下するので、ダイエットは長期スパンで見なければわからない。

翌日の体重と比べて一喜一憂するのはバカらしい。

ダイエットが成功しているかどうかは、「同じ条件で体重を測り続け、週ごとの平均値を出す」などのやり方で見る必要がある。

 

「食事」と「運動」どっちが大切?

ダイエットにおいて、食事と運動のどっちが重要かと聞かれたら、「食事のほうが重要度が高い」と答えるだろう。

「食事は我慢しないけど、運動で痩せる」というのは、魅力的な考え方ではあるが、かなりハードルが高い。

体重や速度にもよるが、1時間ランニングしたときの消費カロリーが、だいたい500kcalほど。

「500kcalぶんの食事を我慢するか、1時間走るか」と聞かれたら、たいていの人は500kcalぶん食べるのを我慢したほうが楽だと感じるだろう。

また、500kcal減らすには1時間も走らなければならないが、うっかり食べ過ぎた場合、わりと簡単に1日5000kcalとかになってしまう。

カロリー摂取の簡単さにくらべて、カロリーを消費するのは大変で、「しっかり運動すれば、好きなだけ食べていい」とはまずならない。

ダイエットは、何かしらの形で「食事」を制限するのが基本になる。ただ、食事を減らせる程度には限界があって、例えば1日平均の摂取カロリーが1000kcal以下になるほどまで食事量を減らすのは、望ましくない。

一定の食事制限をしていて、さらに効率的にダイエットを進めたい場合は、「運動」が重要になる。

また、筋トレによって筋肉量が増えると、基礎代謝も増えるので、「運動」はダイエットを進める上で効果的だ。

基本的には「食事」のほうが大切だが、だからといって「運動」を軽視するべきではない。

 

摂取したカロリーがすべて「吸収」されるわけではない

1日で5000kcalを摂取するのは簡単だが、5000kcalを消費するためには10時間走らなければならない。

「消費カロリー」と「摂取カロリー」を比べて、絶望してしまう人は多いかもしれない。

だが諦めないでほしい。必ずしも、摂取したカロリーがすべて「吸収」されるわけではない。

1日の消費カロリーが2500kcalの人が、1日で5000kcal食べた場合、差分の2500kcalが脂肪になる……とは限らない。

大食いなのに痩せていて、明らかに摂取カロリーと消費カロリーの収支が合っていない人も存在するが、それは食べたぶんのカロリーがそのまま吸収されて脂肪になるとは限らないから。

痩せの大食いのような太らない体質になることは不可能だが、「太りにくい食べ方」や「太りにくい食品」の知識を得ることで、ダイエットの成功率は上がる。

そのため、次に「人間が脂肪を蓄えるしくみ」について解説していく。「糖質制限ダイエット」などの前提にもなっている知識なので、痩せたいのであれば絶対に知っておきたい情報だ。

 

人間が脂肪を蓄えるしくみ(血糖値とインスリンの関係)

同じ量のカロリーを摂取した場合でも、「血糖値が急に上がるほど太りやすく、血糖値がゆっくり上がるほど太りにくい」。

これは、GI、ベジファースト、トクホ飲料、糖質制限などの根拠になっている理論であり、ダイエットにおいて最も重要な知識と言っても過言でないかもしれない。

「人間が脂肪を蓄えるしくみ」の手順としては

  • ご飯を食べると血糖値が上がる
  • 血糖値が上がると、インスリンというホルモンが分泌される
  • インスリンが血中の糖分を脂肪に変換して体にため込む

という流れ。

ご飯を食べると、小腸でブドウ糖が吸収され、血中の糖質の濃度が上昇する。その値が「血糖値」だ。

「インスリン」は、「血糖値」が一定の水準まで上がると膵臓から分泌され、糖を脂肪に変換して蓄える。

では、「なぜ血糖値がゆっくり上がると太りにくいのか?」

以下の図のようなイメージを持ってもらいたい。

 

実際のところ、体内の消化吸収のメカニズムはもっといろいろと複雑だが、簡易的なイメージとしては間違っていないと思う。

同じ摂取カロリーであっても、血糖値が急上昇すると、インスリンがドバっと分泌されて脂肪として蓄えられやすくなる。逆に、血糖値がゆっくり上昇すると、脂肪として蓄えられにくくなる。

さらに、糖がゆっくり溶けている状態は、血糖値が安定する時間が長いので、空腹感を感じにくい。俗に言う「腹持ちがいい」というやつだ。

一方、血糖値が乱高下すると、空腹感を感じやすく、必要以上に食べたくなってしまう。

つまり、ダイエットにおいては、「血糖値の上がり方をゆるやかにする」ことがとても重要なのだ!

 

血糖値が上がりやすい食べ物

血糖値が上がりやすい食べ物と、血糖値が上がりにくい食べ物がある。

まず、「タンパク質」と「脂質」は、血糖値が上がりにくい。吸収して糖にするまでに手間がかかるから。

血糖値が上がりやすいのは、「炭水化物」だ。

特に、精製された(食物繊維やビタミンを削ぎ落とした)炭水化物ほど、血糖値が上がりやすい。

砂糖、白米、小麦など、精製された「白いもの」ほど、味は美味しいが、血糖値が急上昇するので太りやすい。

一方で、玄米や全粒粉など、精製する前の「茶色いもの」ほど、血糖値は上がりにくくなる。

 

GI(グリセミック・インデックス)

血糖値の上がりやすさを数値化した指標があり、それが「GI(グリセミック・インデックス)」だ。

砂糖を「100」として、食べたものが体内で糖に変わるスピードを示す。「GI」が高いほど、血糖値が急上昇しやすい。

主な食品をGIが高い順に並べると以下のようになる。

  • 砂糖(100)
  • 食パン(95)
  • 白米(88)
  • うどん(85)
  • コーンフレーク(75)
  • パスタ(65)
  • 玄米(55)
  • バナナ(55)
  • 蕎麦(54)
  • 全粒粉パン(50)
  • りんご(36)
  • アーモンド(25)

未精製の、茶色いものほど低GI。また、フルーツもほとんどが低GI。

他の色んな食品についても、「GI一覧」とか検索すれば出てくる。

GIの数字に厳密にこだわるよりも、「溶けやすいか、溶けにくいか」と感覚的に考えるといいと思う。砂糖が急速に溶けて、体内の血糖値を急上昇させることは、感覚的に理解できるだろう。また、同じ炭水化物でも、白米がすぐに溶けるのに対して、玄米や雑穀のほうがゆっくり溶けるというのも、感覚的にわかると思う。

なお、バナナやりんごといったフルーツは、「果糖」が含まれていて甘いが、GI値は低い。フルーツには、食物繊維が豊富に含まれているので、糖がゆっくり溶けるから。ただ、煮込んでジャムとかにするとGI値は80以上になる。

野菜のGI値なども算出されているが、調理法によってGI値は大きく変化するので、あまり厳密に考えるメリットは薄い。

GIの具体的数字にそこまでこわだわる必要はないが、「ゆっくり溶けるものほど、血糖値はゆるやかに上昇する」という視点は大事。

 

ベジファースト

「ベジファースト(野菜を先に食べる)」という方法を知っている人は多いと思う。

まったく同じものを食べる場合でも、炭水化物を先に食べると血糖値が上がりやすく、野菜(食物繊維)を先に食べると血糖値が上がりにくい。

ダイエットや健康を考えるなら、野菜を先に食べたほうがいい。

さらに言うと、タンパク質や脂質も、炭水化物よりは溶けにくいので、「プロテインファースト」や「ファットファースト」でも、炭水化物を先に食べるよりはマシになる。

ただ、あくまで「ちょっと上がり方がゆるやかになる」程度なので、絶対にやらなければならないというほどのことではない。

 

ダイエット用のお茶とか粉とかについて

「食事の糖と脂肪が気になる方へ」などと銘打ったお茶が、コンビニやスーパーに売られているが、「あれってどういう理屈なんだろう?」と思ったことはないだろうか。

ダイエット系のお茶の多くは、トウモロコシなどから抽出した「食物繊維(難消化性デキストリン)」がお茶に混ぜられている。

野菜を先に食べる(ベジファースト)などと同じで、食事前や食事中にそのお茶を飲めば、食物繊維が混じるので、血糖値の上昇がゆっくりになるという理屈。

「イージーファイバー」などの粉も同じ理屈で、自分でお茶に混ぜたり、汁物に混ぜたりすることで、吸収がおだやかになる。

あと、抽出した食物繊維だが、実は袋で買えばめっちゃ安い!

ロハスタイル 難消化性デキストリン 水溶性食物繊維 サラッと溶ける(500g 約50日分) フランス産 とうもろこし [M便 1/3]
LOHAStyle

市販のお茶は割高だが、自分で食物繊維を混ぜて「ダイエット用のお茶」を自作すれば、値段は10分の1以下に抑えられる。

ただ「特茶」は、「食物繊維が混ざっているわりにはおいしい」のがメリット。自分で作った場合はけっこうマズいお茶になる可能性が高い。

なお、食物繊維による血糖値の上昇を抑える効果を得たいなら、「青汁」がけっこうおすすめ。

食事をする前に「青汁」を飲み干せば、実質的に「ベジファースト」だ!

 

糖尿病

血糖値が上がるとインスリンが分泌され、それが脂肪に変換される。

「インスリンが脂肪を蓄える」と説明すると、「余計な働きをしやがって!」と思うかもしれないが、血糖値が上昇した状態というのは身体にとって危険なものであり、インスリンが分泌されなければ大変なことになってしまうのだ。

「糖尿病」は、「血糖値が上がったまま」になってしまう病気。

糖尿病患者には、「太っている糖尿病患者」と、「痩せている糖尿病患者」がいる。

  • 「太っている糖尿病患者」は、インスリンが分泌されすぎて膵臓や肝臓が疲弊したり、これ以上脂肪を増やすのが困難で、血糖値が上がったままになる状態
  • 「痩せている糖尿病患者」は、インスリンを分泌する働きに不具合がある状態。この場合は、インスリンを注射して体内に取り入れる

どちらにしても糖尿病の人は、糖質を厳しく制限することを余儀なくされる。

糖尿病でない人にとっても、血糖値が急に上がる」「血糖値が高い状態が続く」のは、ダイエット面でも健康面でも、良いことではない

「血糖値を上げすぎない」という視点は大事で、これは「糖質制限ダイエット」においても重要なロジックになっている。次は、「糖質制限ダイエット」について解説していく。

 

糖質制限ダイエット

「血糖値はゆっくり上昇させたほうが太りにくい」について上で説明してきたが、「糖質制限ダイエット」も、その考え方が前提にある。

血糖値を急上昇させる原因は「糖質(炭水化物)」なので、炭水化物の量を減らせば、太りにくく、痩せやすい。

「糖質制限ダイエット」は、糖質の量を制限するダイエット法だが、「ゆるい糖質制限(ロカボ)」「きつい糖質制限(ケトジェニック)」は、分けて考えられることが多い。

  • ゆるい糖質制限……「ローカーボ」と呼ばれる。糖質の量を無理のない範囲で減らす
  • きつい糖質制限……「ケトジェニック」と呼ばれる。糖質を厳しく制限し、脂質の摂取量を増やすことで、脂肪をエネルギーとして使いやすい身体にする

それぞれ解説していく。

 

ゆるい糖質制限(ローカーボダイエット)

シンプルに、糖質(炭水化物)の摂取量を減らす。

現代のダイエット法のなかでも、もっとも推奨されることの多い方法だと思う。

普段の食事から、主食(炭水化物)の量を半分ほどに減らし、物足りないぶんは、「野菜(食物繊維)」や「タンパク質」や「良質な脂質」の量を増やして埋め合わせる。

糖質の量を控えれば、血糖値が上がりにくくなるし、カロリーも低くなりやすい。

一昔前の「ダイエット」と言えば、「カロリー制限(糖質と脂質の両方を減らす)」だったが、今は「糖質制限(糖質だけを減らす)」が推奨されることが多い。

単純にカロリー(糖質と脂質の両方)を減らすよりも、「糖質だけ」を意識して減らしたほうが、実は空腹を感じにくく、続けやすい。

やり始めは、強い「物足りなさ」を感じたり、空腹を感じるかもしれない。だが、慣れてくると大丈夫になる。脂質が満腹中枢に働きけてくれるし、血糖値の上下が緩やかならば、強い空腹感に襲われることはない。

糖質制限のデメリットとして、「金銭面」がある。炭水化物は、安くて美味しいカロリー源であるがゆえに食卓のメインを飾ってきたが、それを制限すると食費にお金がかかるようになる。

また、主食には食物繊維が多く含まれている。糖質制限で主食を減らし、タンパク質を多めにすると、腸内環境が悪化しやすいので注意が必要だ。

糖質制限をするなら、野菜を多めに食べ、乳酸菌が含まれている発酵食品を摂取するといいだろう。

 

きつい糖質制限(ケトジェニックダイエット)

糖質を極端に控える糖質制限は、「ケトジェニックダイエット」と呼ばれる。

「ケトジェニック」は、「糖質をエネルギーに使う身体から、脂質をエネルギーに使う身体に切り替える」ことを目的とするので、「ゆるい糖質制限(ローカーボ)」と違い、厳密に糖質を制限する。

人間は、糖質をエネルギーとする回路と、脂質をエネルギーとする回路があるのだが、糖質を厳しくセーブし、MCTオイルなどの良質な脂肪を多めに摂ることで、脂質がエネルギーとして消費されやすい身体になる。

糖質が入ってこなくなると、肝臓で「ケトン体」という物質が多く作られる「ケトーシス」という状態になり、脂肪を燃焼させて身体を動かすモードに切り替わる。

「ケトーシス」に入るためには、食事の糖質量を10%以下に抑える必要がある。これは実際にやってみようとするとかなり大変だ。野菜の糖質量や、調味料の糖質量を気にしなければならないレベル。もちろんご飯やパンは一切食べられない。

ケトジェニックは、脂質を多めに摂取する。糖質と脂質の両方を減らすと筋肉が分解されやすくなるが、脂質をしっかり摂ることで、脂肪を燃焼するモードが続くのだ。

ケトジェニックのメリットは、体脂肪が燃えやすくなり、身体を早いペースで絞りやすいこと。

だが、ケトジェニックにはデメリットもあり

  • ケトーシスになるまで糖質量を抑えるのはかなり大変
  • ケトン体が多く作られると体臭がキツくなる
  • 体質を切り替えることのリスクがある
  • 体質を切り替える際にストレスがかかる

など、けっこうハードルが高い。

「ケトジェニックダイエット」は、競技レベルでボディメイクをする人はよく取り入れる方法だが、一般的なアスリートやビジネスマンには向いていない。

ケトーシスの状態に入れば、エネルギー不足になったり空腹感を感じたりはしないが、そこにうまく入る前にパフォーマンスが落ちたり、体質を切り替えるリスクやストレスがあるので、体脂肪を落とす上で有効な方法ではあるが、一般的には推奨されるものではない。

 

糖質制限は、「楽にダイエットできる裏技」ではない

「糖質制限ダイエット」の情報が日本で広まり始めたときは、何か「裏技」のように認識されていたと思う。

それまでの常識は、「カロリーを制限することで痩せる」だったのが、「カロリー制限しなくても糖質さえ制限すれば痩せる」と言ったのが「糖質制限」で、これは多くの人にとって衝撃的な情報だった。

ケーキを食べることはできないが、ベーコンやステーキを食べることはできる。それでダイエットができるのだから、自分も「糖質制限」の情報を最初に知ったときは、本当ならスゴいことだと思った。

そして実際に、糖質さえ摂らなければ、太りにくいことは事実。

だが、「糖質を制限さえすれば好きに食べていい」という糖質制限ダイエットは、普通にカラダに悪い。

タンパク質や脂質の過食は、たとえ太らなくても肝臓や腎臓などの臓器に負担をかけるし、腸内環境が悪化すると、パフォーマンス低下の原因になる。

あと、糖質制限で危ないのが、塩分の過剰摂取。

糖質の低い食品は、基本的に塩分で味付けされている。糖質以外のものでお腹を満たした場合、塩分の過剰摂取のリスクは高くなる。

フルーツや野菜は、塩分を排出するカリウムが豊富だが、糖質制限をするとそれらを避けなければならなくなるので、なおさら塩分がこわい。

糖質制限は、かなり考えてやらないと、普通にカラダに悪いし、魔法のような方法ではない。

そもそも、実際にやってみればわかるが、糖質を制限するのはけっこう大変で、「楽にダイエットできる」というおいしい話ではないのだ。

 

「糖質」と「脂質」は、片方だけを減らすのが良い

ダイエットにおいて知っておいたほうがいい知識として、「糖質」と「脂質」は、どちらか片方だけを意識して減らすと良い、というのがある。

「糖質」と「脂質」を均等に減らす食事法よりも、「ローカーボ(糖質を減らす)」か「ローファット(脂質を減らす)」のどちらかのほうが、ダイエット法としてはおすすめなのだ。

人間の身体は、「炭水化物(糖質)をエネルギーとして使う回路」と、「脂質をエネルギーとして使う回路」があり、糖質か脂質の、どちらか片方を十分に摂っていればいいのだが、どちらも中途半端な場合、代謝が滞ったり、筋肉が分解されてエネルギーとして使われやすくなる。

筋肉量が減ると、基礎代謝が下がり痩せにくくなってしまうので、筋肉の分解はなるべく避けたい。

糖質と脂質を均等に減らすよりも、片方を十分に摂って、もう片方を減らしたほうが代謝がスムーズになる。だから最近は、「糖質制限(ローカーボ)」とか「脂質制限(ローファット)」とかがよく言われているのだ。

ただこれは主に、「見た目を良くするために平均以上に身体を絞りたいレベルの人の話」だ。太っている人は、そんなに気にしなくていい。体脂肪がたくさんあって、健康のために痩せなければならないという状況の人は、「普通に摂取カロリーを減らす」で問題ない。

 

「糖質制限」と「脂質制限」どちらが良いか?

上で説明したように、「糖質」と「脂質」は、片方を十分に摂って、片方だけを意識して減らすとダイエットがスムーズになりやすい。

糖質を制限して脂質を摂るのが「糖質制限(ローカーボ)」で、脂質を制限して糖質を摂るのが「脂質制限(ローファット)」

「脂質制限(ローファット)」は、「ハイカーボ」とも呼ばれ、炭水化物をきちんと摂り、脂質を減らすダイエット法。これも合理的なダイエット法で、パフォーマンスが落ちにくく、炭水化物中心なので食費が安く済むのがメリット。

「糖質制限」と「脂質制限」どちらが良いか?だが、体質やライフスタイルによるので、どちらが良いのかは一概には言えない。

ただ、参考としては

  • 「糖質制限」……空腹感を感じにくいので摂取カロリーが少なく済む。無理なく継続しやすい。
  • 「脂質制限」……パフォーマンスが落ちにくい。体質が変わるリスクがない。食費が安く済みやすい。

あるいは

  • 普通にやるなら「糖質制限」
  • 運動を積極的に取り入れるなら「脂質制限」

という分け方で考えるといいかもしれない(あくまで参考程度)。

体脂肪が気になる一般人の場合、「糖質制限」のほうがおすすめ。

脂質は満腹中枢を刺激するし、血糖値も上下しにくいので、「糖質制限」のほうが空腹感を感じにくい。やってみればわかるが、普段の「主食(メイン炭水化物)」の量を減らしても、そこまで強い空腹を感じることはない。

あと、脂質をカットするほうが、自由に食べられるものは少なくなるので、食事内容としても「糖質制限」のほうがストレスはかかりにくい。

一般的には、「糖質制限」のほうが、長期的に継続しやすいだろう。

一方で、運動によるカロリー消費に頼るダイエットをしたい場合は、「脂質制限」がおすすめ。

  • 生活代謝は、糖か脂質をエネルギーにする
  • 運動代謝は、主に糖をエネルギーにする

というのがあり、運動をハードに行うなら、「糖質メイン(脂質制限)」のほうが、動きやすく筋肉も分解されにくいので、結果的に脂肪を減らしやすい。

「糖質制限」も「脂質制限」も、どちらも合理的なダイエット法なので、自分に合っていると思うものを選ぶといい。

 

「食事頻度制限(ファスティング)」ダイエット

「ファスティング」とは、「断食」のこと。

「ファスティング(断食)」は、必ずしもダイエットのために行うものではないが、「断食(意図的に何も食べない時間を作ること)」をダイエットに取り入れる方法があり、「食事頻度制限ダイエット」と言われることもある。

「断食」と言っても、何日も食事を抜くようなやり方ではなく、「16時間断食(1日2食)」などを、無理のない範囲でダイエットに取り入れる方法が多い。

「食事頻度制限ダイエット」は、「カロリーの総量」ではなく、「食事の頻度」に着目したアプローチと言える。

同じ「カロリー制限」をするにしても、「1回の食事の量を減らすよりも、食べる回数を減らしたほうがキツくない」という理屈だ。

例えば、これは個人差もあるが、「1日3食で2000kcal以内」と「1日2食で2000kcal以内」では、同じ摂取カロリーでも、実は後者のほうが楽に続けやすい。

その理由としては、インスリンなどの「ホルモン」が関係していて、「胃に何も入れない時間」を意図的に作ったほうが、「ホルモンバランス」が整うので、無駄な食欲を感じにくくなる。そのため、「ファスティング」を上手に取り入れたほうが、実はそんなに空腹に苦しまずにダイエットができる。

ジェイソン・ファン『トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ』などの書籍で出されていた研究によると、「少ない量を高頻度」の食事よりも、「普通の量を低頻度」の食事のほうが、むしろお腹が空きにくく、継続もしやすい傾向があるようだ。

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「食事頻度制限(ファスティングダイエット)」は、「肥満の人に有効」とされている。

太っている人や、太っている期間が長い人は、「インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなった状態)」ができて、「ほんの少し何かを食べただけで、インスリンが過剰に分泌されやすい体質」になってしまっている。

上のほうで「血糖値とインスリンの関係」の図を出したが、太っている人ほど、インスリン分泌のラインが下がり、ちょっとした食事でもインスリンが分泌される。

つまり、太っている人は、「太っているから太りやすい」という悪循環に陥っている。カロリー制限で食事量を少なくしても、インスリンが分泌されやすい体質なので痩せにくい。

肥満により「インスリン抵抗性」ができてしまった人は、まずはホルモンの機能を正常化したほうがよく、そのため、「胃に何も入れない時間」を増やすアプローチが有効になる。

以上の理由で、肥満であるほど「食事頻度制限(ファスティング)ダイエット」が推奨されるのだ。

この理屈について詳しくは、「肥満から痩せるには断食が有効な理論的根拠」という記事で書いているので、知りたい人は以下を読んでほしい。

肥満から痩せるには断食が有効な理論的根拠【ファスティングダイエット】

 

肥満ではない人も、ファスティングをダイエットに活かすことはできるし、ファスティングには「消化器官の休憩」や「オートファジーの活性化」などメリットもある。「ファスティング」について解説した記事も書いているので、興味のある人は見ていってほしい。

ファスティングとは何か?正しいやり方と効果の根拠を解説【16時間断食】

 

ダイエットの停滞期を抜け出す方法

ダイエットには、「停滞期」が来る。

身体の機能には、「ホメオスタシス(恒常性)」というものがあり、急な変化に対抗して、元の状態を維持しようとする。

ダイエットをして体脂肪が減っていくと、変化に対して身体が危機を感じ、なるべく体脂肪が減らないように代謝を落とす。これが「停滞期」で、頑張ってダイエットをしているのに、体重が落ちにくい状態になる。

「停滞期」が来るのはダイエットが成功している証で、根気よくダイエットを続けていれば体重は落ちる。

ただ、「チートデイ」や「ダイエット法の切り換え」によって、停滞期をうまく抜け出せることがある。

 

チートデイ

「チートデイ」という言葉を知っている人は多いと思う。「チート」とは「だます」という意味で、自分の身体をだますために行う。

停滞期に突入した身体に対して、好きなものを我慢せず食べることで、「十分に栄養が入ってくるから代謝を落とさなくて大丈夫だよ」と「身体をだまして」、下がった代謝をもとに戻す。

「チートデイ」の一般的なやり方は、1日間限定で好きなものを食べる。ダイエットの停滞期に突入したと感じたときにやったり、ダイエット期間中10〜20日に1回ほどの頻度で行ったりする。

実際のところ、ちょっとくらい停滞期が来ても、チートデイを入れずにそのまま頑張ったほうが痩せるかもしれないが、「メンタルの回復」という面も重視されている。

「チートデイ」を挟むことによって、代謝を元に戻すと同時に、ストレスなく、楽しくダイエットすることができる。ただ、当然だが、停滞期に入っているわけでもないのにチートデイをやるのはダイエット失敗の要因になる。

 

ダイエット法の切り換え

「ダイエットの方法を切り換える」というのも、「停滞期」を抜けるためのメジャーな方法として知られている。

もっとも簡単なのは、「糖質制限」と「脂質制限」を交互に行うダイエット。

「糖質制限」で体重の減りが悪くなれば、「脂質制限」に切り換え、また体重が減らなくなってきたら「糖質制限」に切り換える。これはシンプルかつ効果的で、食事内容を変える大変さはあるが、体重を落としやすい方法だ。

人間の身体は、「慣れてしまう(ホメオスタシスが働く)」ので、ひとつの方法で停滞してきたら、可能な範囲で、「何らかの変化を与える」ことを意識するといい。

他には、「ファスティング(断食)」によって刺激を与えるとか、筋トレ中心だったのを有酸素運動に切り換えるとか、魚中心から大豆中心の食事にするとか、「変化を与える」ことで、「ホメオスタシス(恒常性)」を突破する。

「糖質制限と脂質制限の両方を交互にやる方法」に関しては、以下のページでも解説している。

糖質制限vs脂質制限糖質制限と脂質制限どっちがいい?両方を交互にやる方法なども解説

 

 

以上、「ダイエットの正しい知識まとめ」について解説してきた。

ダイエット法については、「おすすめのダイエット方法ランキング」という記事を書いているので、こちらも参考にしていってほしい。

ダイエット方法おすすめランキングおすすめのダイエット方法ランキング!成功しやすい痩せ方はどれ?

 

当サイトでは、ダイエット食に悩む人向けに、「スーパーやコンビニで買えるダイエット向け食品のおすすめ」「ダイエット中の「お菓子」のおすすめ」などの記事も書いているので、よければ参考にしてほしい。

スーパーやコンビニで買えるダイエット向け食品のおすすめを紹介 ダイエット中の「お菓子」のおすすめは?間食に良いおやつを紹介

 

当サイトは主に、メンズ美容の専門的な内容について扱っている。この記事が参考になったという方は、「メンズ美容おすすめの方法まとめ」の記事も参考になると思う。男性向けに書いているが、「スキンケア」や「口内ケア」の内容は女性でも参考になるだろう。

メンズ美容おすすめの方法画像メンズ美容おすすめの方法まとめ!男の見た目改善テクニックを網羅的に解説

 

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