自分は、3日間の断食(ファスティング)をしたことがあるので、そのときの体験談をレポートしていきたい。
- どれくらいキツかった?
- カラダはどんな状態になった?
- 何キロ痩せた?
- 3日断食はダイエットに向いているの?
など、断食をしてみようとする人が気になる情報について書いていく。
3日間断食のメニューとルール
「3日間断食」といっても、作法はいろいろある。
自分の場合は、
- 水やお茶はいくら飲んでもOK
- カフェインやアルコールはNG
- 固形物は「梅干し」のみOK
- 「酵素ドリンク」はOK
- 「スムージー」は砂糖や添加物が入っていないもののみOK
- 摂取カロリーが1日300kcalを超えないようにする
というルールでやっていた。
「梅干し」
自分は、『トロント最高の医師が教える 世界最新の太らないカラダ』などの書籍からファスティングに興味を持ったのだが、断食中は「塩分不足」に注意する必要があるという記述があった。そのため、「梅干し」は例外的に、固形物でも口にすることを許した。
固形物と言っても、飴をなめるようにして少しずつ摂取する。
塩分補給なら「塩」や「味噌」でもいいのだが、「梅干し」なら、ナトリウム(塩)以外にも、マグネシウム、鉄、カリウムなどのミネラルを補給できるので、断食中には良いと思う。
「酵素ドリンク」
自分は「酵素」の効果を信じていないが、ファスティング中は食費がかからないし、酵素ドリンクの中でも値段が比較的安い「優光泉の梅味」を買った。
550mlあたり約4000円だが、原液の価格で、4、5倍くらいに薄めて飲むことを考えれば、思ったよりは高くない。3日間断食中にずっとちょびちょび飲んでいたが、ハーフボトル1本の半分ほどしか飲みきれなかった。
断食中の飲み物としては、味はなかなか良く、断食を頻繁にする人にとっては、酵素ドリンクもそこまで割高とは言えないかもしれない。
「スムージー」
スムージーは、「マイスムージー」という、砂糖、小麦、乳製品、調味料などが無添加のものを用意した。それでも酵素ドリンクよりは安い。
「野菜生活」みたいなスーパーやコンビニに売っているやつは「ほとんど砂糖ジュース」なので、原料がフルーツや果物のみの良いやつを選ぶ。
スムージーくらいはミキサーで自分で作ればいいのかもしれないが、カロリーを測るのが面倒なのに加えて、断食中に食材に触れたくなかった。
めちゃくちゃお腹が空いているときに、食材に触れると心が折れてしまうリスクがあったので、あえてパック入のスムージーを買った。
3日間断食のプラン
自分は、普通に仕事をしていたので、空腹がキツくなる「2日目」と「3日目」を土日にあてるプランでやった。
「木曜の夜」から断食をスタートとして、「日曜の夜」に断食を終了する。
「1日目」の金曜日には仕事があるが、1日目ならば大丈夫だろうという算段だった。
- 1日目(木曜の夜から金曜の夜)
- 2日目(金曜の夜から土曜の夜)
- 3日目(土曜の夜から日曜の夜)
朝起きたタイミングではなく、木曜日の夜ご飯を食べ終えたタイミングを「断食1日目のスタート」にすることにした。
理由は、すぐ出勤しなければならない「月曜日の朝」に断食終了するのは、精神的にキツそうだったから。
スタートのタイミングで、体重を量り、何キロ痩せたかを比較する。
準備期間
「長期ファスティング」をするには、「準備期間」といって、断食に入る助走段階から、不摂生な食事をなるべく避けるべきとされている。
自分は、「準備期間」として、そこまで特別なことをしたわけではない。ただ、断食しようとする週の月曜日から、お菓子やお酒を控えて、なるべく健康的な食事をしようと心がけていた。
断食を開始するの木曜日のメニューは、朝食はなし、昼食に「めかぶとろろ蕎麦」、夕食に「野菜鍋」「サバの味噌煮」「玄米ごはん」を食べ、食後に「ミックスナッツ」を食べた。
「魚の油」や「ナッツ」といった、良質な脂肪(不飽和脂肪酸)を摂取するように心がけた。
断食1日目
木曜日の午後8時前に夕食を食べ終えて、そこから断食がスタート。
体重を測ると、「72.6」キロだった。
最初の夜は、食べた直後なので、空腹はまったくなし。
朝起きて、金曜日は普通に出社。
仕事をしているお昼頃から、お腹が減り始める。この時点で「16時間断食」をすでに達成している状態。
金曜日の午後は、空腹のまま、「気合い」で仕事を乗り切る!
金曜日の夜に帰宅。この時点でかなり空腹だった。
めちゃくちゃお腹が空いていたが、「3日断食を完遂するぞ!」という覚悟に燃えていたし、そこまでキツいという気持ちは1日目はなかった。
梅干しを舐めて、酵素ドリンクを飲む。
午後8時に体重を量ると、「70.9」キロだった。
「72.6→70.9」と、1.7キロの体重減。
断食2日目
土日は、仕事が休みで、残業なども持ち越さなかったので、完全に自由。
ネットサーフィンをしたり、Netflixで動画を見たり、ゲームをして時間を潰す。
空腹すぎて夜眠れないかと思ったが、普段どおりの夜12時に普通に眠れて、朝7時にスッキリ起きる。
めちゃくちゃ眠ったと思ったが7時間しか寝てなくて、かなりの快眠だった。
しかし、2日目からは、かなり本格的な空腹に。
「36時間断食」なら何回も経験があったのだが、その場合なら今頃はご飯にありつけていたと考えると、「3日間断食」の過酷さがよくわかる。
2日目の中盤からは、「何もやる気が起きないくらいの強烈な空腹」がやってくる。
梅味の酵素ドリンクをちょびちょび飲むと、めちゃくちゃ美味しく感じる。
プラセボ効果かもしれないけど、栄養がいい感じに染み渡って、落ち着く感じがする。
断食をする人が酵素ドリンクにハマる気持ちがよくわかった。梅干しやスムージーよりも、薄めた酵素ドリンクのほうが、なんとなく「しっくりくる」のだ。
空腹を紛らわすために、ゲームをしたり動画を見たりして時間をつぶす。
「楽しむためにゲームをする」のではなく、「空腹を紛らわすためにゲームをする」。
ひたすらゲームに熱中することで、空腹を吹き飛ばそうとした。
ずっと家にいても落ち着かないので、夕方に1時間くらい散歩をする。
筋トレやランニングなどハードな運動はできる気がしなかったが、歩いていると意外と空腹感がまぎれる。
空腹の状態で歩くのは、けっこう身体に良いらしい。人類のDNAには、食料を探すために空腹で歩き続けていた時代の記憶が刻まれているのだとか。
土曜日の午後8時に2日目が終了で、体重を量ると「70.0」キロだった。
「70.9→70.0」と、0.9キロの体重減。
断食3日目
いつもどおり夜12時に布団に入ったが、空腹がひどすぎて、まったく眠れる気がしない。
2日目は空腹でも普通にすっきり眠れたのだけど、3日目はまったく眠れなかった。
頑張っても眠れなかったので、結局はゲームなどをして時間を潰す。
午前5時頃になんとか眠れたが、朝7時半頃に目が覚める。2時間半しか睡眠できず。
これまでずっと午後10時から午前2時の間には眠れていたのに、こんなにも「眠れない」というのは久々のことだった。
「ファスティングをすると寝付きや寝覚めが良くなる」みたいなことが言われるけど、それは適度なファスティングの場合で、長期ファスティングはむしろ、「睡眠リズムがグチャグチャになる」ことを覚悟すべきだと思った。
寝てしまえば空腹感を感じないので、なるべく寝ようと思ったのだが、眠気よりも空腹感が勝ってしまう。
ゲームをしたり、ドラマをぼんやり見たりして時間を潰す。
断食中は、「空腹でずっとつらい」という時期が延々続くわけではない。「空腹がわりと心地よく感じる」時間と、「めちゃくちゃ空腹でツラい」時間が交互に続く。
ずっと空腹のツラさが続くわけでもないのだが、総合的には「ツラい体験」と言わざるをえない。
空腹が耐え難いときは、スムージーをゆっくり飲み、梅干しを舐め、酵素ドリンクをちょっとずつ口に含む。ほんのちょっとした栄養を入れるだけで、だいぶ楽になる。
ルールで決めていた通り、1日300キロカロリーまでは摂取していた。
「水と塩」だけの断食だった場合、また別次元のキツさがあったのだろうと思った。
夜眠れなかったぶん、午後から2時間ほど眠ることができた。午後7時過ぎくらいに目を覚まし、起きたら終了目前だった。
日曜日の午後8時に3日目終了で、体重を量ると「69.3」キロ。
「70.0→69.3」と、0.7キロの体重減。
「72.6→70.9→70.0→69.4」と、3日間の断食を通して、合計で「3.3」キロ体重が減った。
回復期間
長期のファスティングのあとは、「回復期間」が必要。
胃に急な負担をかけないために、消化に優しいクリーンなものから摂取していく必要がある。
作る気力もないので、レトルトのお粥を食べる。
レトルトの「玉子がゆ」が、めちゃくちゃ美味しい!
月並みな表現だが、空腹が最高の調味料だった!
おかゆのあとは、りんごとキウイを食べた。
何を食べてもおいしく感じる。
あと、胃が小さくなっているのか、少量でも満足できてしまう。
断食後の夜は、普通に眠れて、翌日の仕事も問題なかった。
断食を終えたあとは、「反動でめちゃくちゃお腹が空く」よりは、むしろ「少量でもしっかり満足できる」ようになるので、クリーンな食事は続けやすくなるんじゃないかと思う。
ただ、自分は、回復期間のプロセスはあんまり真面目にやらなかった。翌日の夜にはカレーとかを食べていた。
身体の変化
断食のあとの「身体の状態」として
- 肌がめっちゃキレイになった
- 体重は3キロ減った
- メンタルがストイックになった
- 身体はけっこうダルい
が主に挙げられる。
断食をした人が一番に感動するポイントだと思うけど、肌はびっくりするほどキレイになる!
「過食を避ける」ことが何よりのスキンケアであることが実感できるだろう。
また、3キロも体重が減ると、だいぶ「痩せた」という感じがする。
肌がキレイになり、体重も落ち、メンタル的には、「これからはクリーンな食生活を続けていきたい」というストイックな気持ちが芽生えてくる人が多いと思う。
3日間の断食が終わったあと、「ずっと我慢してたぶんだけ、ジャンクフードを食べまくりたいぜ!」とはならない。むしろ、「身体が自然に望むものを適切な量だけ食べたい」という気持ちになる。
これはマイナスの点だが、断食後に「体調が良い」とは言えない。断食の終盤になってくると、ヒドい空腹はもちろん、エネルギーがなくて身体がダルく、頭が重く、微妙に頭痛がするような気もした。
ただ、自分の場合は、回復食を食べてから一晩眠って朝食を食べると、身体のダルさはなくなっていて、翌日の仕事に影響するということもなかった。一晩眠らずにすぐに仕事だったら、かなりキツかったかもしれない。
3日間断食を終えてみての感想
3日間断食を終えての感想だが、「とにかくキツかった」の一言。
「36時間断食」と「72時間断食」とでは、時間は2倍だけど、キツさは体感で8倍くらい。
2日目の後半から3日目は、「体調が悪い」というレベルの空腹で、仕事との両立は不可能だろう。
ゲームをしたり動画を見たりすれば空腹はまぎれるのだが、コンテンツを楽しむためではなく、「空腹をまぎらわすためにそれをしている」という感じなので、そんなに楽しいわけではない。
自分の場合、読書など、少しでも集中力や能動性を必要とするものは、娯楽でもキツかった。
「せっかくの休日を有効に使いたい」というのであれば、断食はそこまで良い選択肢ではないかもしれない。
3日間断食はダイエットに向いているか?
ダイエット法として、「3日間の断食は良いのか?」だが、個人的には「おすすめできない」という結論。
長い間何も食べないので、痩せるかどうかで言えば、もちろん「痩せる」。
だが、「キツさ」に対しての「痩せる度合い」で考えた場合、ダイエット法としてコスパが良いものではないと思う。
3日間断食で、自分の場合は3.3キロ体重が減ったが、脂肪が減ったのは「1キロあるかないか?」くらい。
自分の一日の消費カロリーはおよそ2500ほどだから、3日で減るのは7000〜8000kcalほど。
スムージーや酵素ドリンクを1日300kcal摂取したので、3日で900kcalほど摂取した。
単純計算で、断食の3日間で7000kcalほどのマイナス。
脂肪は1kgあたり約7200kcalで、3日間断食でやっと1kgほど減ったという計算。
じゃあ残りの減ったぶんの体重はと言うと、「むくみ(水分)」で、これは普通に飲食をすれば元に戻る。
これについてよくわからない人は、「ダイエットの基礎知識まとめ」を読んでほしい。

痩せたのは3キロではなくて、実質的には1キロ。
まあ、1キロの脂肪というのは相当なもので、それが3日で減ったと考えればスゴいことだ。
だがそれでも、「3日間断食」で脂肪を1キロ落とすくらいなら、1週間の糖質制限や運動によって1キロの脂肪を落としたほうが、ずっと楽だと思う。
たまのイベントで「3日間断食」を頑張るよりも、続けやすく、より痩せやすい方法は他にあるだろう。
断食をダイエットに取り入れるにしても、「週に1、2回の36時間断食」や、「毎日の16時間断食」といったやり方のほうが、続けやすく、結果的に痩せやすい。
「ファスティングダイエット(食事頻度制限)」については、その理論的根拠を解説した「肥満から痩せるには断食が有効な理論的根拠」という記事を書いているので、以下を参考にしてほしい。

3日間断食のメリットは?
3日間断食のメリットを挙げるなら、「達成感」や「キッカケ」という精神的なものが大きいと思う。
なお、定期的な断食が健康に良いことは常識になっているが、「長く断食をやるほど高い効果がある」というエビデンスが固まっているわけではない。
3日間など長期にわたるファスティングは、「独自のやり方で行うことが推奨されているわけではない」ことにも注意が必要。
それでも、長期ファスティングは、完遂すると、山に登りきったような達成感を得られることは確かだ。
「安価」かつ「自宅で可能」なチャレンジなので、暇な人は検討してみるといいかもしれない。
以上、「3日間断食(ファスティング)の体験談」を書いてきた。
当サイトでは、「ファスティングの理論について詳しく解説した記事」や「ファスティングを続けていく上でわかったことまとめ」なども書いているいるので、よければ以下も見ていってほしい。

