白い歯は、清潔な印象を相手に与えやすい。
美容に関心のある人の多くは、「歯を白くすること(ホワイトニング)」にも関心があるだろう。
ここでは、「理屈」や「仕組み」がわかる解説を心がけたい。
「どういう理屈で歯が白く見えるの?」「ホワイトニングの薬剤って大丈夫なの?」「ホワイトニングって自宅でも可能?」という疑問を解決するような内容を書いていく。
目次
歯を白くする方法(ホワイトニングは自宅でできる?)
「ホワイトニングは自宅でも可能か?」についてだが、自宅でもできることと、歯科クリニックでなければできないことがある。
歯を白くする方法を、ここでは、大まかに4つに分ける。
- ホワイトニング用の歯磨き粉で歯を磨く
- LEDライトを使うセルフホワイトニング
- ブリーチング(象牙質の漂白)
- マスキング(エナメル質の加工)
このうち、1と2までが自宅で可能で、3と4は歯科でないと行えない。
- 「1」と「2」の方法は、「歯の表面」を綺麗にする。
- 「3」と「4」の方法は、「歯の内側」を白くする。
歯の内側まで作用する医薬品は医者しか扱えないので、「3.ブリーチング」と「4.マスキング」は、審美治療を行っている歯科クリニックでなければ、やってもらえない。
自宅でもホワイトニングは可能だ。だが、自宅で可能なのは「もともとの歯の白さまで」のホワイトニングで、それ以上の歯の白さを目指す場合は、「ホワイトニングの審美治療」が必要になる。
では、それぞれの方法と仕組みについて解説していく。
1.ホワイトニング用の歯磨き粉で歯を磨く
まず前提として、歯はもともと白い。
ただ、着色汚れなどが、普通にものを食べたりしていればどうしても付いてしまうので、歯磨きでそれを落とす。
当然だが、「普通の歯磨きをしっかりやる」ことは、「歯を白くする」上でも大事。というか前提になる。
通常の歯磨きに加えて、より歯の白さを目指すなら、「ホワイトニング用の歯磨き粉」や、「ワンタフトブラシ」「電動歯ブラシ」を使うことで、普通の歯磨き粉と歯ブラシよりも、歯が白くなりやすくなる。
ホワイトニング用の歯磨き粉
「ホワイトニング用の歯磨き粉」は、着色を落とすことと、着色しにくくする(コーティングする)機能を持ったものが多い。
まともな効果のあるホワイトニング用の歯磨き粉は、かなり値段が高いので、普通の薬局に売っていることは少ない。
「スーパースマイル」は、アメリカの歯磨き粉で、おそらくホワイトニング用の歯磨き粉の中では一番有名。歯の白さにこだわる文化のアメリカの定番のもの。通常の歯磨き粉よりも強力で、痛みを感じる人もいるかも。本場アメリカではかなり安く売られていて、アメリカ旅行の際にまとめ買いする人も多い。Amazonなどでも購入可能で、格安とは言えないが、それでも他のホワイトニング用歯磨き粉よりはずっと安い。
日本で人気の高いホワイトニング用の歯磨き粉。ホワイトニング用なので、一般の歯磨き粉と比べてもちろん安くはないが、少量から買えるので、試してみたい人におすすめ。
通常の歯磨きのあと使う用の、ホワイトニング用のジェル。ワンタフトブラシとセットで使うことが推奨されている。おそらく日本で最も評価が高く、愛用者の多い製品。おすすめできるが、価格も高いので、「仕上げ」として歯の表面だけに使うといい。
ワンタフトブラシ
「ワンタフトブラシ」は、尖った感じの歯ブラシ。
歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)を磨きやすい歯ブラシだが、表面を集中的に磨けるので、ホワイトニング用として使いやすい。
ホワイトニング用の歯磨き粉を使うときは、歯の表面の外から見える部分を磨くが、通常の歯ブラシでそれをやりすぎると、歯茎などが削れてダメージを受けてしまうかもしれない。
歯ブラシを2種類使い分けるのは面倒かもしれないが、ホワイトニングをするならワンタフトブラシはおすすめ。
電動歯ブラシ
「歯を白くする歯ブラシ」と言えば、「電動歯ブラシ」をイメージする人が多いのではないだろうか。
「フィリップス」の電動歯ブラシは、通常の歯磨きモードと、歯の表面を磨くモードを切り替えることができるし、歯の表面を磨くことが重要なホワイトニングに適している。
もちろんあれば便利だが、価格は高いし、ホワイトニングに必須というわけではない。
歯磨きは、「白く見せる」という審美的な目的以前に、純粋に健康のために大事なことだ。
ただ、歯の白さにおいては、「磨けば磨くほど白くなる」という考え方ができないことに注意したい。
むやみに歯を磨きすぎるのは、歯茎に過度なダメージを与えてしまう原因になるので、やめたほうがいい。「ひたすら歯磨き」は、本末転倒なのだ。
歯磨きで歯を白くするには限界があり、そのため、これ以降で説明する「2〜4」のホワイトニングの方法がある。
2.LEDライトを使うセルフホワイトニング
「歯磨き」には限界があり、「磨く(擦って汚れをおとす)」以上に歯の表面を綺麗にするためには、「LEDライトを使うセルフホワイトニング」が有効になる。
酸化チタンなどが含まれた薬剤を歯に塗って、LEDライトを当てる。光触媒効果によって、歯の表面についた黄ばみ、タンパク質、ステインを分解する。
これによって、「歯を磨く」よりもさらに、表面を綺麗にすることができる。
この「2.LEDライトを使うセルフホワイトニング」は、「1.ホワイトニング用の歯磨き粉で歯を磨く」をやっていることは前提で、さらに歯の着色を綺麗にしたい人が行う。
歯科への通院は必要なく、キットを購入すれば自宅でも可能なので、「セルフホワイトニング」と呼ばれている。
必要なのはLEDライトと薬剤。アマゾンで個別に買うこともできるが、長期的に使うのであれば、「専門サイトのデンタルラバー」などで契約したほうが安く供給が確実。ただ、いずれにしてもそれなりの価格がするものなので、Amazonや楽天で購入してお試しで使ってみるのはアリだと思う。
「LEDを使うセルフホワイトニング」の方法で、かなり歯は白くなる。ただ、白さには限界があり、「自分の歯の本来の白さ」までしかホワイトニングができない。
人間の歯は、表面の「エナメル質」が透明なので、その内側にある「象牙質」の色が外から見える。この「象牙質」だが、基本的には白色、黄色っぽい白色。だが、人によってはもともと「象牙質」が黄色かったり、加齢などの要因で黄ばんでいくことがある。
「象牙質の白さ(もともとの歯の白さ)」には、個人差があるのだ。
もともと象牙質が白い人は、「1.2.の自宅で可能なホワイトニング」でも十分に歯が白くなる。
一方で、「象牙質」自体が黄色い人は、1.2.をどれだけやっても限界があり、歯科クリニックに行って3.4.の施術をしなければ、歯の白さは手に入らない。
3.ブリーチング(象牙質の漂白)
「象牙質」を白く染めるホワイトニングの方法は、「ブリーチング」と呼ばれる。
実際の施術は、歯の表面に過酸化水素や過酸化尿素などが配合された薬剤を塗る。それが歯の中に染み込んでいき、色素を分解し、「象牙質」を漂白する。
「ブリーチング」で象牙質を漂白することによって、もともとの歯の白さ以上のホワイトニングを実現することができる。
ちなみに、効果が永続するわけではないので、定期的な通院は必要だ。
また、「歯の外側を綺麗にする」努力を怠っていいわけでもない。
「ブリーチング」の施術は、歯科でなければ行うことができない。「歯科医院 ホワイトニング (地域名)」などと検索して、審美治療に力を入れているクリニックを探そう。
4.マスキング(エナメル質の加工)
「マスキング」は、「3.ブリーチング」とは別の方法で、歯を白く見せる。
歯の「エナメル質」は、通常は透明なので、それが透き通って「象牙質」の色が見える。
その「エナメル質」の部分を加工するのが、「マスキング」というホワイトニングの方法だ。
薬剤の作用によって、通常は角状のエナメル質を球状に変化させる。これによって、光の乱反射が起こり、外から歯を見たときに、白く見えるようになる。
マスキングも、効果は永続しない。歯には「再活性化」という作用があり、時間が経つと元に戻る。「3.ブリーチング」と同様、歯の白さを維持するためには、定期的にクリニックに通う必要がある。
仕組みを考えればわかるが、3.ブリーチングと4.マスキングは、併用してもほぼ意味がなく、どちらか一方をやればいい。
「3.ブリーチング」と「4.マスキング」のどちらが良いかだが、これに関しては歯科医に相談しよう。
いずれにしても、審美治療でクリニックに行った場合、歯石の除去(クリーニング)、検診、面談、プラン説明……みたいな流れになるので、そこで「歯を白くしたのですがどうすればいいですか?」と聞いてみるといいだろう。
歯を白くしたい人へのアドバイス
ホワイトニングの仕組みと、理屈について解説してきた。
ここからは、「じゃあ自分はどうすればいいの?」という人に向けて、個人的な体験談も踏まえて、アドバイスを語る。
「白い歯だから健康」というわけではない
まず言いたいのは、「黄色い歯だからといって不健康なわけではない」ことだ。
不潔な場合は別として、もともと象牙質が黄色いタイプの人はいるし、それが健康上の問題というわけではない。
また、黄色い歯がコンプレックスだからといって、歯の表面を過剰に磨いてしまうのは良くない。歯磨きに関しては、強く磨きすぎて歯や歯茎に傷がついてしまい、逆効果になることがある。
歯磨きに関しては「口内ケアの完璧なやり方を解説」で解説した。

「健康」を考えるなら、歯の表面を磨いて「白く見せる」よりも、「歯間」や「舌」をちゃんと綺麗にすることのほうが大事。
あと、「どこまでの白さを目指すべきか?」という問題もある。テレビやユーチューブやSNSで見られる「歯の白い人」は、ライトアップとか加工技術とかが加わっている場合が多いので、そのレベルの歯の白さを基準にすることがそもそも間違っているかもしれない。
歯を清潔に保つこと自体は、ホワイトニングにおいても基礎となる部分なので、まずは口内ケアをきちんとやるのは大事だ。
歯の白さには個人差がある
歯の白さには、もともとの個人差はけっこうある。
ホワイトニング用の歯ブラシどころか、普段からまともに歯磨きしなくても、ピカピカの白い歯という人も世の中にはいる。
逆に、かなり歯に気を使ってケアをしていても、もともとの象牙質が黄色く、歯が黄ばんで見える人もいる。
ここらへんは理不尽だけど仕方ない。
ホワイトニングはわりと痛い
自分は、当記事で解説してきた中で、「4.マスキング」以外はやったことがある。
ホワイトニングは、個人差もあるが、全般的にけっこう痛い(染みる感じの痛さ)。
「1.ホワイトニング用の歯磨き粉」でさえ、最初は少し痛みを感じる人もいるかもしれない。
知覚過敏の人は、ホワイトニングはかなりキツいと思う。
また、「3.ブリーチング」などの施術によって知覚過敏になったりすることもあるようなので、医者にちゃんと相談しよう。
ホワイトニングにはどうしても手間とお金がかかる
歯を白くするのは簡単ではなく、想像以上に「手間とお金」がかかる。
どのようなホワイトニングの方法にしても、歯の表面を綺麗に維持しておくことが必須なので、日頃からの努力が必要。
ホワイトニング用の歯磨き粉は安くはないし、LEDのセルフホワイトニングもかなり高額。
歯科医院でのホワイトニングは、審美目的の自費診療になるので、保険の適用外。ピカピカの白い歯のためには、少なくとも10万円ほどの出費は覚悟したほうがいいだろう。
「白い歯」は印象が良いが、そのぶん維持するコストは大きい。
迷っているなら、歯科医に行くのが手っ取り早いかも
この文章を最後まで読んでいる時点で、あなたは色々と調べて自分で考えたい人である可能性が高い。
悩んでいるなら、とりあえず歯科医院に行ってみると話が早いとは思う。審美治療を視野に入れるなら、クリニックに行くのは必須。なお、行った当日に施術するわけではなく、初日はクリーニングと検診と説明で終わる場合が多い。
なお、白い歯を維持するのは大変だけど、一度やってみて途中で止めるのも全然アリ。
自分は、「2.セルフホワイトニング」「3.ブリーチング」をやっていたことがあるけど、現時点では「1.ホワイトニング用の歯磨き粉で歯を磨く」のみ。「別にこれくらいの白さでいいかな」という落とし所を見つけたからだ。
どこまでホワイトニングをやるかは、「もともとの歯の白さ」「どのレベルの歯の白さを目指しているか?」「歯の白さのためにどれくらいのコストを許容できるか?」によるので、一概には言えないが、いずれにしても「3.ブリーチング」と「4.マスキング」は医者に頼まないと絶対にできないので、迷っているならば、まずは歯科医に行ってみるのがおすすめ。
以上、「歯を白くする方法」と「ホワイトニングの仕組み」について解説してきた。
ホワイトニングは、見た目に与える影響も大きいが、「美容」の中でも特に手間やコストがかかりやすいものだ。
当サイトでは、主にメンズ向けだが、他の美容法についても詳しく解説しているので、この内容が参考になった方は、以下のページも読んでいってほしい。


女性なのでメンズ美容には興味がないという方も、「ダイエット関連」の記事なども詳しく書いているので、よければ参考にしていってほしい。

