「マッチングアプリ」という新しいテクノロジーは、男女の出会いの場の王道になりつつある。
普通に考えれば、運に左右されやすい、決められた地域での限定された出会いよりも、より幅広く出会いの機会を求めたほうが合理的だろ、となる。
しかし現状、マッチングアプリは、男性にとって、地獄のような競争率になっている。
一方で、女性が使えば、とても簡単にマッチする上、無料で使える。
この違いはどこから来ているのだろうか? その謎を解き明かしたいと思う。
今回は
- なぜ女性はマッチングアプリを無料で使えるのか?
- なぜ男性はマッチングアプリを使うと地獄の競争率になるのか?
を解説していきたい。
目次
マッチングアプリが女性無料なのは、ビジネスの構造上の問題
現在、色んなマッチングアプリが存在するが、「マッチングアプリ」のサービスを運営する側の視点で考えてみたい。
マッチングアプリは、システムが安定して使えるかとか、デザインが使いやすいかなどもあるが、最も大事なのは「アクティブユーザーが多いかどうか?」だ。
マッチングアプリのサービス運営において、最もお金がかかるのが「広告費」であり、それくらい、「とにかくユーザーを集めるのが大事」なのだ。
そして、マッチングアプリの運営側からすれば、女性ユーザーは、無料でもいいから(というか広告に大金を払ってでも)来てほしい。
女性ユーザーがたくさんいるマッチングアプリは、男性ユーザー側からしても価値があるので、それだけで男性は、月額課金を続けてくれる。
ほとんどのマッチングアプリは、
- 男性も女性も、無料で登録できる
- 男性のみ、メッセージなどの機能をまともに使うためには、月額課金する必要
という仕組みだ。
男性ユーザーは、アクティブな女性ユーザーが多いと感じるサービスであれば、自然とお金を払う。
お金を払う男性ユーザーからすれば、マッチングアプリの良し悪しを決める基準は、「女性ユーザーが多くいるか」がほとんどで、デザインとかはそんなに興味がない。
そのため、運営側の方針としては、「とにかく女性ユーザーを集めたい」となる。
まともなマッチングアプリほど、運営側は、「女性ユーザーが使いやすいサービス」を意図する。
このような状況において、「女性ユーザーも有料(そのぶん男性ユーザーの料金は安めの設定)」のマッチングアプリがあったとして、女性は無料で使えるほうに流れるので、結果的に女性ユーザーがいなくなり、男性側からしても、仮に安かったとしても課金してまで使うメリットはなくなる。
そのため、マッチングアプリというサービスを運営していく以上、運営側は「女性無料」にせざるをえないのだ。
女性側も、「マッチングアプリ代くらい払ってもいいけど」という人は多いのだけど、「たくさんの女性ユーザーを集めたい」というサービス運営側の事情で、女性は無料になる。
また、「女性が無料で、男性がお金を払う」という構造になるのは、飲食においても「男性がお金を払うもの」という風潮がまだ消えてはいないことに加えて、男性が女性よりも「出会い」に必死になりやすいという理由もあるだろう。
マッチングアプリで男性の競争率が地獄になる理由
マッチングアプリをした男性は、その競争率の高さに驚くかもしれない。
男性は、スペックに自信のある人でも、簡単にマッチできないかもしれない。
これは、マッチングアプリは「場の力」が機能しない、という理由が挙げられる。
「男性のモテ」は、「クラスで人望を集めている」とか「頼りになる先輩」といった、周囲の状況も含めた「場の力」に多くを頼る傾向がある。
客観的な基準で並べられ、無味乾燥にスペックが比較されるような状況では、女性の「トキメキスイッチ」のようなものが入りにくく、男性は不利になってしまう傾向がある。
これについては「男女のモテ方の違いを解説!男は「場の力」でモテる説」で詳しく解説しているので、以下のページを参考にしてほしい。

加えて、恋愛が自由化した「自由恋愛市場」においては、
- 少数の男性が複数の女性と付き合うようになる
- 男性が「練習」のために、好みでない女性とも付き合いたがる
- 上位男性と「付き合った経験だけはある」女性が増えるので、一般的な女性の「基準」が厳しくなる
- あらゆる年齢の男性の狙いが「若い女性」に集中するので、競争が激化する
などの理由で、競争が激化しやすい。
これについては「男性の恋愛競争があまりにも無理ゲーすぎる件について」を参考にしてほしい。

つまり、マッチングアプリは
- 男性のモテに有利に働く「場の力」が機能しない
- そもそも自由恋愛では男性の競争が激化しやすい
という理由で、男性の競争が地獄のような状況になるのだ。
ただ、とは言っても、「じゃあ男性にとって、マッチングアプリを使うのは賢い選択肢じゃないね」となるわけではない。
マッチングアプリは、男性に不利な要素だけではない
マッチングアプリは、男性が一方的に不利なわけではない。
たしかに、競争率は高く、調子に乗っている女性が多く、男性を有利にしてくれる「場の力」は機能しない。
だが、「場の力」がないぶん「責任」もない、というメリットがある。
職場や学校などにおける「場の力」は、乱発できるものではなく、下手をすれば評価が下がったり、悪い噂が広まったりする。
マッチングアプリの出会いは、「場の力」がないぶん「責任」もないので、思う存分「練習」して、男磨きをすることができる。
たしかに女性優位であることは否めないが、だからこそ、遠慮なく「自分を磨く訓練の場」として使い、付き合う女性のレベルをだんだん上げていくことができる。
女性が有利だからこそ、良心の呵責を感じずに、「もういいや」と思った相手を切りやすい。
マッチングアプリに真実の愛はあるのか問題
真面目な恋愛をしたいと思って、マッチングアプリに登録する男女はたくさんいるだろう。
ただ、「真面目な恋愛を求めない人ほど、マッチングアプリを上手に使える」という側面はあるだろう。
また、実は、マッチングアプリのサービス運営側からしても、「真実の愛」を推奨していないようなところがある。
なぜなら、恋愛が上手く行った男女は、そのアプリを使わなくなる。
サービス運営側からすれば、あまり恋愛が上手く行かず、マッチングアプリをなるべく長く使い続けるユーザーであって欲しい。
だから、マッチングアプリは、そのサービスの雰囲気として、「より良い相手を求める動き」や「競争」を煽りがちだ。
マッチングアプリに絶望する必要はない!男性の過剰競争は、これから緩和されていく
最後に、男性にとっては朗報だが、マッチングアプリの女性有利な傾向は、これから緩和されていくと思われる。
なぜなら、諦めて戦線離脱していく男性ユーザーが多いのに対して、これから新しい女性ユーザーが増えていくから。
マッチングアプリという「新しいテクノロジー」に、すばやく飛びつくアーリーアダプターは、男性のほうが多い傾向にある。
一方で、女性は特に、恋愛に関しては保守的な傾向がある。
マッチングアプリは、まだまだ一般化していく過程にあるので、二の足を踏んでいた女性ユーザーがこれから増えて、「男性ユーザー過剰」な状態は、今よりは緩和されていく可能性が高い。
つまり、これからどんどん、普通の女性が、マッチングアプリを使う世の中になっていくのだ!
男性でマッチングアプリを諦めてしまった人は多いかもしれないが、今からマッチングアプリに習熟しておくと、これから先、ラッキーな出会いを経験できることは多くなるかもしれない。
以上、「なぜ女性はマッチングアプリを無料で使えて、男性は地獄の競争率になるのか?」について解説してきた。