「どの食品にどれくらいの量の食物繊維が含まれているのか?」の一覧表があると便利だと思い、まとめてみた。
以前、食品の「タンパク質」含有量の一覧表という記事を書いたのだが、今回はその「食物繊維」バージョンだ。
よくある「食物繊維が豊富な食べ物ランキング」は、食品に含まれる水分量などを考慮せずに「100gあたり」で単純に比較していたり、「きくらげ」や「わらび」など、あまり頻繁に食べるとは言いにくい食品がランクインしていたりなど、使い物にならないことが多い。
この記事では、よく食卓に並ぶものを中心に、「1個」や「1食」あたりの量に直した数字での、食物繊維の含有量の一覧を提示している。
腸活に励む人にとっては参考になる内容だと思う。
食品ごとの「食物繊維」含有量の一覧表
基本的に、果物や芋類は「1個」あたり、主食は「1食」あたり、きのこ類は「1パック」あたり、野菜などは「100gあたり」で、表示している。
数字は、文部科学省の「食品成分データベース」で調べたもの。
りんご1個(250g) | 4.8g |
バナナ1本(100g) | 1.1g |
ミックスナッツ1袋(30g) | 1.9g |
チアシード(10g) | 3.1g |
ブロッコリー(100g) | 4.3g |
ニンジン(100g) | 2.9g |
大根(100g) | 1.7g |
アボカド(100g) | 5.6g |
キャベツ1/4玉(300g) | 5.4g |
じゃがいも1個(150g) | 1.8g |
オートミール1食(30g) | 2.8g |
玄米1膳(100g) | 1.4g |
全粒粉パン(100g) | 4.5g |
なめこ1パック(100g) | 2.8g |
えのき1パック(200g) | 9.0g |
こんにゃく1丁(300g) | 9.0g |
以上が、「食物繊維含有量」の一覧表になる。
一覧表を作っておいてなんだが、食物繊維は単純な量だけでは測れないところがある。
特に、「水溶性」と「不溶性」の違いは、腸内環境を意識する上で重要だ。
以下でその解説をする。
「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の特徴
食物繊維には、大きくわけて、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」がある。
どちらも、腸内環境を改善してくれる効果がある。そのため、両方を積極的に摂るのが良い。
ただ、水溶性と不溶性で役割が違うので、注意が必要だ。
その食品の食物繊維が、「水溶性」多めか「不溶性」多めかは、なんとなくのイメージで掴める。
- 「水溶性食物繊維」……ヌルヌルしている、水っぽい
- 「不溶性食物繊維」……パサパサしている、繊維っぽい
このバランスが崩れると、食物繊維を多く摂っていても、下痢になったり、便秘になったりしてしまうことがある。
例えば、サラダをたくさん食べていて、食物繊維をたくさん摂っているはずなのに、便秘が続いている場合、「不溶性」の摂り過ぎで、「水溶性」が足りていない可能性が高い。
「不溶性食物繊維」は、便のかさ増しをしてくれるが、摂りすぎると詰まってしまう。
逆に、「水溶性食物繊維」を摂りすぎると、お腹がゆるくなってしまう場合がある。その場合は「不溶性」のほうを意識して摂るのが良い。
- 「水溶性食物繊維」……便秘解消が期待できる
- 「不溶性食物繊維」……お腹が緩くなるのを防ぐ
ほとんどの食品には、「水溶性」と「不溶性」の両方が含まれているが、食品によって比率が違う。
以下では、上の一覧表でまとめた各食品について、カロリーなどの栄養成分を表示すると共に、「水溶性と不溶性の比率」を載せる。
「食物繊維」が豊富な食品の、水溶性:不溶性の比率
食物繊維が豊富な食品それぞれの「栄養成分表示」と、「水溶性と不溶性の比率」を載せる。
「食品成分データベース」で調べたデータをもとに計算し、「水溶性食物繊維」のほうを「1」として比率で表している。
なお、単純な含有量で比較すると、ほとんどの食品は、「水溶性」よりも「不溶性」のほうが多い。一般的に、「水溶性:不溶性」が「1:3」ほどの比率の食品は、「水溶性の食物繊維が豊富」と言えると思う。
では、それぞれデータを載せていく。
りんご
エネルギー:140kcal
タンパク質:0.5g
脂質 :0.7g
糖質 :35.7g
食物繊維 :4.8g
(りんご1個(250g)あたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:2.8」。
バナナ
エネルギー:93kcal
タンパク質:1.1g
脂質 :0.2g
糖質 :21.4g
食物繊維 :1.1g
(バナナ1本(100g)あたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:10.0」。
ミックスナッツ
エネルギー:211kcal
タンパク質:5.1g
脂質 :20.1g
糖質 :1.6g
食物繊維 :1.9g
(ロカボナッツ1袋(30g)あたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:11.5」。(「くるみ」の数値を計算)
チアシード
エネルギー:45kcal
たんぱく質:2.5g
脂質 :3.2g
糖質 :0.3g
食物繊維 :3.1g
(ホワイトチアシード10gあたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:4.3」。
ブロッコリー
エネルギー:30kcal
たんぱく質:3.9g
脂質 :0.4g
糖質 :0.9g
食物繊維 :4.3g
(茹でたブロッコリー100gあたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:3.3」。
ニンジン
エネルギー:29kcal
タンパク質:0.6g
脂質 :0.2g
糖質 :5.4g
食物繊維 :2.9g
(茹でたニンジン(100g)あたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:1.9」。
大根
エネルギー:15kcal
タンパク質:0.5g
脂質 :0.1g
糖質 :2.3g
食物繊維 :1.7g
(茹でた大根(100g)あたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:1.1」。
アボカド
エネルギー:178kcal
たんぱく質:2.1g
脂質 :17.5g
糖質 :2.3g
食物繊維 :5.6g
(アボカド100gあたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:2.3」。
キャベツ
エネルギー:63kcal
タンパク質:3.9g
脂質 :0.6g
糖質 :10.2g
食物繊維 :5.4g
(生キャベツ1/4玉(300g)あたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:3.5」。
じゃがいも
エネルギー:89kcal
タンパク質:2.7g
脂質 :0.2g
糖質 :24.2g
食物繊維 :1.8g
(じゃがいも1個(150g)あたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:2.0」。
オートミール
エネルギー:105kcal
たんぱく質:4.1g
脂質 :1.4g
糖質 :17.7g
食物繊維 :2.8g
(オートミール1食30gあたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:1.9」。
玄米
エネルギー:152kcal
たんぱく質:2.8g
脂質 :1.0g
糖質 :34.2g
食物繊維 :1.4g
(玄米1膳100gあたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:6.0」。
全粒粉パン
エネルギー:251kcal
たんぱく質:7.9g
脂質 :5.7g
糖質 :41.0g
食物繊維 :4.5g
(全粒粉パン100gあたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:4.0」。
なめこ
エネルギー:22kcal
タンパク質:1.6g
脂質 :0.1g
糖質 :2.3g
食物繊維 :2.8g
(なめこ1パック(100g)あたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:1.5」。
えのき
エネルギー:68kcal
タンパク質:5.6g
脂質 :0.2g
糖質 :6.6g
食物繊維 :9.0g
(えのき1パック(200g)あたり)
「水溶性:不溶性」の比率は「1:14.0」。
こんにゃく
エネルギー:24kcal
タンパク質:0.3g
脂質 :0.3g
糖質 :0.0g
食物繊維 :9.0g
(こんにゃく1丁(300g)あたり)
「水溶性:不溶性」の比率だが、一概に言うのは難しい。
「こんにゃく」に主成分である「グルコマンナン」は、「水溶性食物繊維」だ。
ただ、「グルコマンナン」は特殊な性質があり、おでんに入っているような固めた「こんにゃく」は、製造過程で「不溶性食物繊維」になる。
「こんにゃく」は、あらゆる食品の中でも食物繊維が非常に豊富(というかほとんど栄養がなく、食物繊維を食べているようなもの)で、もちろん腸内環境に良いとされている。
ただ、やや特殊な食品でもあるので、合う人と合わない人がいる。
「こんにゃく」を食べれば必ず腸内環境が改善されるというわけでもないので、過信はしないようにしたい。
フィードバックを見ながら、自分の腸内環境を改善していこう
以上、食物繊維が豊富な食品と、「水溶性」と「不溶性」の比率を示してきた。
食物繊維は、まずは一定の量を摂ることが大事なので、この記事で示した「一覧表」や「栄養成分表示」は、参考になるはずだ。
水溶性と不溶性のバランスだが、一概に「この比率が最適」と言うことはできない。
個人差もあるし、人間の腸内環境はとても複雑で、まだわかっていないことが多いのだ。
ただ、腸内環境に関しては、「排出物」というフィードバックがあるので、それを見ながら、食生活を改善していくことができる。
- 「便秘」気味なら、「水溶性食物繊維」を意識して摂る
- 「下痢」気味なら、「不溶性食物繊維」を意識して摂る
というのが、簡単な判定基準だ。
ただ、人によって、合う食べ物、合わない食べ物はあるので、自分の腸にとって良い食事を検証し、追求していくことが大事だ。
この記事の内容が、あなたの腸活にとって参考になったのなら幸いだ。
以上、「食物繊維」について解説してきた。
当サイト「メンズ美容チャンネル」では、「美容」や「ダイエット」関連の記事をたくさん書いているので、この記事が参考になったという方は、よければ他の記事も参考にしていってほしい。


