「ブルーベリー」は、栄養素がとても優秀なので、意識的に摂取する価値がある。
日本人はあんまり「ベリー類」を食べないが、欧米では、「ベリー類」が「ナッツ類」と並んで「健康的な食事の象徴」みたいなイメージだ。
今回は、特にベリーの中でも、日本でも手に入りやすく、栄養価が非常に高いと言われている「ブルーベリー」の優秀さについて解説していく。
目次
ブルーベリーの栄養成分表示
エネルギー :48kcal
タンパク質 :0.5g
脂質 :0.1g
炭水化物 :12.9g
(-糖質 :8.6g)
(-食物繊維 :3.3g)
カリウム :70g
カルシウム :8g
鉄 :0.2mg
亜鉛 :0.1mg
銅 :0.04mg
マンガン :0.26mg
βカロテン :55μg
ビタミンB1 :0.03mg
ビタミンB2 :0.03mg
ビタミンB6 :0.05mg
ビタミンC :9mg
ビタミンE :2.3g
ビタミンK :15μg
(ブルーベリー100gあたり:データは文部科学省「食品成分データベース」から)
一般的な冷凍ブルーベリーの小分けにされた1パックは、100gから150gほどのものが多い。
低カロリーなのに対して、非常に多くの重要な栄養素を含む「スーパーフード」だ。
では以下から、「いかにブルーベリーが優秀な食品なのか?」を解説していく。
低カロリーなのに栄養素の宝庫
ブルーベリーは、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ポリフェノールが、とても豊富に含まれていながら、カロリーがとても低いのが特徴。
また、味も悪くない。
「冷凍のブルーベリー」を解凍するだけで、ほどよく甘いデザートになる。
セブンイレブンの冷凍ブルーベリーはマジで美味しい!
なお、セブンのものは「130gで81kcal」と、「上の成分表よりもカロリーが高くない?(上の表では130gで62kcalになる)」と思うかもしれないが、これは、糖度の高いブルーベリーが厳選されているから。
もっと安いブルーベリーは、セブンイレブンのものよりは味気ないが、カロリーは上の成分表に近い数字になるだろう。
もっとも、130gで81kcalでも、デザートとしてはとても優秀な数字。
普段はアイスやプリンを食べているところを、たまにブルーベリーで代用するだけでも、体をいわたることができる。
ダイエット中にもおすすめの食品だ。
「アントシアニン」という優秀なポリフェノール
なぜこれほどまでにブルーベリーが評価されているのかというと、「アントシアニン」というめちゃくちゃ良いポリフェノールを豊富に含んでいるから。
「ブルーベリーは目に良い」というイメージがあるが、これは俗説ではなく、ちゃんとエビデンスがある。
眼を酷使すると、「ロドプシン」という眼の網膜などにあるタンパク質の再構成が遅れがちになる。それによって、眼精疲労や、眼の不調が起こりやすい。
ブルーベリーの「アントシアニン」は、「ロドプシン」の再合成を促すので、実際に眼精疲労などに効果があると、理論的にも実証的にも裏付けられている。
また、「アントシアニン」には、非常に高い抗酸化作用がある。つまり、「アンチエイジング効果」が高い。
加えて、「アントシアニン」には、「目に良い」や「抗酸化作用」以外にも、非常に優れた効果が数多くあるのではないかと注目され、研究されている。
そのような有効成分である「アントシアニン」を、日常的に食品から摂取しようとするなら、「ブルーベリー」がその筆頭だ。
「ポリフェノール」と「フラボノイド」の違いと、ブルーベリーの「アントシアニン」について
いちおう、ちゃんと知りたい人のために用語を説明する。(興味のない人は読み飛ばしてOK)
ブルーベリーに含まれる「アントシアニン」は、「ポリフェノール」であり、「フラボノイド」でもある。
階層関係は以下のようになる。
-
- ビタミン等
- カロテノイド
- ポリフェノール
-
- クロロゲン酸類
- フェノールカルボン酸類
- フラボノイド
- アントシアニン
- イソフラボン
- カテキン
- ルチン
- ケルセチン
-
「アントシアニン」は「フラボノイド」の一種で、「フラボノイド」は「ポリフェノール」の一種。
- 「ポリフェノール」……複数のフェノール性水酸基を持つ植物成分の総称のこと。化学的な用語というよりは俗称として広まってる感。
- 「フラボノイド」……「ポリフェノール」の一種だが「タンニン」や「フェノールカルボン酸類」とは区別されている。つまり「ポリフェノール」の下位カテゴリ。
実際には、「ポリフェノール」と「フラボノイド」は同じ意味の言葉として使われることも多いし、そんなに間違ってもいない。
ブルーベリーに含まれる「アントシアニン」は、「フラボノイド」でもあり、「ポリフェノール」でもある。
なお、健康効果が注目されるポリフェノールのほとんどが「フラボノイド」に分類され、有名なのは以下
- アントシアニン(ブルーベリー)
- カテキン(緑茶)
- イソフラボン(大豆)
- ケルセチン(りんごの皮、たまねぎ)
- ルチン(蕎麦)
これらは、どれも素晴らしい効果を持つポリフェノールとして知られている。
「アントシアニン」は、ブルーベリーの他にも「カシス」や「ベリー類」に含まれている。
ただ、「イチゴ」にもアントシアニンは含まれているが、「ブルーベリー」のほうがずっと量が豊富。
日本の食環境においては、ブルーベリーの有効成分である「アントシアニン」には、食品からはブルーベリーからしか摂取しにくく、その点から考えても、ブルーベリーをたまに食べるメリットは大きい。
豊富なビタミンとミネラル
ブルーベリーには、βカロテン(ビタミンA)、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどの「ビタミン類」と、カリウム、鉄、亜鉛、マンガンなどの「ミネラル」が、複合的に、バランス良く含まれている。
カロリーが低いのに対して、「欲しい栄養素の詰め合わせ」のような感じなので、積極的な摂取が推奨されるのも納得の食品だ。
整腸作用が高い
実は、ブルーベリーは、食物繊維が豊富なフルーツでもある。
ブルーベリーの食物繊維は、100gあたり「3.3g」もある。
参考までに、バナナの食物繊維は、1本(100g)あたり「1.1g」で、ブルーベリー100gはバナナ3本(300g)ぶんと同等量の食物繊維を含む。
「カロリーあたりの食物繊維量」を考えると、ブルーベリーの優秀さがわかる。
- 食物繊維3.3g:ブルーベリー(100g):48kcal
- 食物繊維3.3g:バナナ3本(300g) :279kcal
同じ食物繊維量でも、ブルーベリーはとてもカロリーが低い。
また、ブルーベリーの食物繊維の「3.3g」中、「水溶性食物繊維」が「0.5g」、「不溶性食物繊維」が「2.8g」になる。
「水溶性:不溶性」の比率が「1:5.6」で、やや不溶性の比率が高めだが、食物繊維自体の総量が多いので、「水溶性食物繊維」も十分に摂ることができる。
(食物繊維に関して詳しくは「食品の「食物繊維」含有量の一覧表!水溶性と不溶性の比率も載せる」を参考。)
なぜブルーベリーがおすすめなのか?
低カロリー、豊富なポリフェノール、ビタミンとミネラル、食物繊維の量など、美容、健康、ダイエットにおいて、ブルーベリーは本当にメリットが多い。
「ブルーベリーの有用性」については、研究がかなりされていて、エビデンスも固まっている。
まあ欧米では、「ベリー=健康的」というイメージがもとから強く、だから学術機関でも積極的に研究されていて、実際に効果を裏付けるエビデンスが増えているといった感じだ。
日本は、「緑茶(カテキン)」や「納豆(イソフラボン)」や「蕎麦(ルチン)」といった、良質な「フラボノイド(ポリフェノール)」を日常的に摂取しやすく、健康においては、とてもアドバンテージのある国だと思う。
ただ、それらと並ぶ優れた栄養素である、「アントシアニン」については、意識してブルーベリーを摂らないと、十分な量を摂取することができない。
そのため、日本人だからこそ、たまにブルーベリーを食べるようにするといいのである。
以上、「ブルーベリーの栄養素が優秀すぎる件について」解説してきた。
ちなみに、ブルーベリーと並ぶ健康食とされている「ナッツ」についても、当サイトで解説記事を書いている。

なお当サイトでは、「美容におすすめの食品ランキング」や「ダイエットにおすすめの食材ランキング」などの記事も書いているので、よければ以下のページも参考にしてほしい。

