健康に良いのに値段が安い、「現代のチート食材」について解説していく。
おいしいものほど値段が高く、マズいものほど値段が安い。栄養価の高いものほど値段が高く、栄養価の乏しいものほど値段が安い。……それが世の理、市場原理というもの。
しかし、そんな世の理を外れて、「おいしくて、栄養価が高く、値段も安い」というバランス崩壊のチート食材が、この世界には存在する。
そんな「チート食材」について解説していくので、お金がない人はぜひ参考にしていってほしい。
鶏卵
現代のチート食材の代表格は「たまご」だ。
「栄養価の豊富さ」と「どんな料理にも合う万能さ」を兼ね揃えた最強の食材。
それなのに、値段がヤバいくらい安い。
なぜ鶏卵はここまで安いのか?
まず、「鶏が、家畜として最強」というのが一点。
鶏は、安い穀物を、良質な「タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル」に効率よく変換してくれる。
アメリカでは生活が貧しくなると鶏を飼い始める家庭が増えるほど、優れた家畜なのだ。
それに加えて、日本などの国は、鶏の畜産を徹底的に合理化している。
- 狭いケージで大量の鶏を飼育
- ケージ飼いでも病気にならないよう、ワクチン、抗菌剤、抗生物質を投与
などのやり方で、とても効率的に、大量の鶏を育てている。
だから「鶏卵」は安い!
ただ、歩くスペースがないほど狭いケージの中で大量飼いしているので、動物愛護的な視点からは、批判もある。
のんびりと鶏を育てようとする農家もあるが、その場合、もっと卵の値段は高くなってしまう。
日本の鶏卵の畜産は、効率化に加え、衛生管理が徹底されているのが特徴。
鶏舎の清掃と消毒が徹底され、さらに卵の洗浄と消毒もしっかりしていて、それらの工程が合理的に管理されている。
なお、日本の卵はほとんど国産で、鶏卵は、食料安全保障の観点からも重要なものなので、農林水産省からの補助金(赤字の補填)がある。
だから、日本の卵は、生で食べられるほど安全で、今や様々な日本食の要になっている。
たまごは、みんな知っての通り、多種多様な調理法がある。個人的におすすめの食べ方は、シンプルに温めた「ゆで卵」。ダイエット用の食品としてとても良いのだ!
「ゆで卵」がダイエット食品として優れている理由は、以下で解説しているので、よければ参考にしてほしい。

鶏肉
「鶏肉」も、安くておいしいタンパク源。
上で「鶏卵」が安い理由を説明したが、「鶏肉」が安い理由もだいたい同じで、効率的なケージ飼育で大量生産されているから。
正確には、現代の畜産では、卵をたくさん産むように品種改良された鶏と、食肉用の鶏は、種類が違う。
それくらい、合理化が進んでいるということ。
「鶏卵」ほどではないが、「鶏肉」も効率が良いので、安く手に入る。
「鶏肉」の中でも、「むね肉」は、脂質が低く、タンパク質が多いので、ダイエットをする上では最強の食材だ。
「鶏むね肉」の簡単な調理法については、以下のページで解説している。

豆腐
「豆腐」は、古くから生産されている、栄養価に優れた食品だ。
栽培しやすく、栄養価最強の豆である「大豆」を、海水から食塩を精製したときのおまけとしてできる「にがり」で固めたものが「豆腐」。
安く手に入るものを組み合わせて、合理的に生産できるので、値段がめちゃくちゃ安い。
150gの絹豆腐が、3パック100円ほどで購入できる。
低カロリーかつ高タンパク質で、しかも「植物性」のタンパク質と脂質なので、食事のバランスを考えるなら、たまにはメニューに摂り入れたい。
現代に生きる貧乏人が豆腐を利用しない手はないし、大昔からある食材なので、調理法のレパートリーも非常に豊富。
「豆腐」のメリットやレシピについては、以下のページで詳しく解説している。

サバ缶
「サバ缶」も、現代のチート食材のひとつに数えていいと思う。
サバ缶は安いが、それは、調理・製造の工程が合理化されているからだ。
獲った魚をすぐに切って、調味料とともに缶詰に入れて、密封してから加熱するだけで「サバ缶」が完成する。
殺菌と調理を同時に行う、腐りやすい魚を処理する上では、とても理にかなった製法だ。
空気に触れないようにして食品を長持ちさせる「缶詰」という発明と、腐りやすい「魚」との相性は、とても良い。
魚は、鮮度が大事なので、流通とかがけっこう大変で、それが現代においてはコストになることが多い。一方で「サバ缶」は、一度作ってしまえば、消費期限がとても長い。
サバ缶のサバは、カレーや味噌汁や煮物など、調理用にも使えるし、もちろんそのままでも美味しく食べることができる。
また、サバなどに含まれる「魚の油」は、「DHA・EPA(オメガ3脂肪酸)」を含む、とても健康に良いものだ。
なお、「オメガ3脂肪酸」は、加熱によって劣化しやすい性質を持つが、「サバ缶」のように缶で煮込む調理法は、「良い脂質」の劣化を最低限に留めるもので、その点からも合理的。
「魚の油」について詳しくは「なぜ魚の油が健康に良いのか?DHA・EPAについて解説【サバ缶最強説】」で書いている。

オートミール
「オートミール」は、健康面を考えると、最高の穀物だ。
「安さ」と「おいしさ」だけを考えるなら、米や小麦やトウモロコシを食べればいいのだが、炭水化物を食べ過ぎると健康にとってはマイナス。
「オートミール」は、「オーツ麦」という穀物で、あんまり美味しくないけど、「美容」と「健康」効果がとても高い。
他の主食と比べて、「タンパク質」と「食物繊維」の含有量が段違いに多いので、オートミールを主食にすれば、それだけでめちゃくちゃ健康的。
特に、「βグルカン」という「水溶性食物繊維」が豊富で、ものすごくお通じが良くなる。
鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルも多く含んでいて、「栄養価」は本当にスゴい。
穀物なので、値段も安い。
最近はオートミールの健康効果が注目されていて、スーパーやコンビニで普通に売っているので、どこでも手に入りやすくなった。
正直、米や小麦と比べて、味はだいぶ劣るのだけど、だからこそダイエットに向いていると言える。
「オートミールを主食にしてカロリーオーバーするのはむしろ難しい」というくらい、とてもお腹が膨れやす行く、腹持ちがいい。
保存が簡単で、「電子レンジでチンすればすぐに食べられる手軽さ」もメリット。
サバ缶や納豆や鶏むね肉を上に乗せたり、お茶漬けにしたりなど、「主食」なので、レシピのレパートリーは豊富。
「オートミール」の詳しい栄養成分表示やおすすめのレシピ参考動画については、以下のページを参考。

ブロッコリー
野菜の中でも、特に食べたほうがいいのは「ブロッコリー」だ。
キャベツ、レタス、ナス、キュウリなどの野菜も、もちろん余裕があれば摂ったほうが良いのだけど、別にそこまで栄養価が高いわけではない。
一方で「ブロッコリー」は、良質な栄養価が凝縮されているので、野菜をひとつ選ぶとしたら、ブロッコリーが最もおすすめ!
ブロッコリーは、良質なビタミンとミネラルが詰まっているので、健康や美容を意識するなら、食べるメリットは大きい。
さらに、野菜の中で突出して「タンパク質」の含有量が多いので、「お腹いっぱいになりやすい野菜」であり、ダイエットにもおすすめ。
免疫力や抗酸化に重要な「ビタミンC」がとても多く含まれているので、ブロッコリーを食べ続ければ体調が良くなる人は多いだろう。
また、「スルフォラファン」などのポリフェノールなど、アンチエイジングに効果的な成分も豊富に含まれる。
「冷凍ブロッコリー」がよく売られているので、それを電子レンジでチンすれば簡単に食べられる。
「特に調理する必要がない」という手軽さも、ブロッコリーをおすすめできる理由の一つだ。
「ブロッコリー」がいかに優れた野菜なのかは、「栄養価最強の野菜ブロッコリーの効果とおすすめレシピ」の記事で詳しく解説しているので、以下を参考にしてほしい。

ヨーグルト
「ヨーグルト」は、「牛乳」を「乳酸菌」によって発酵させたもの。
まず、「鶏」と同じように「乳牛」も、合理化された畜産をしているので、原料となる「牛乳」の値段が安い。
ただ、人間は、乳幼児から大人になるにつれて「乳糖分解酵素」を失っていくので、「乳糖(牛乳に含まれる成分)」から栄養を得にくくなり、牛乳でお腹をこわしやすくなる。
牛乳の「乳糖」を、乳酸菌が分解して「乳酸」にすると「ヨーグルト」になるので、ヨーグルトなら、大人でも効率よく栄養を吸収できる。
牛乳でお腹をこわしてしまう人も、ヨーグルトなら大丈夫な場合が多い。
また、「乳酸菌」を摂取すると、「整腸作用」「免疫力アップ」「コレステロールの抑制」など、メリットがたくさんある。
ヨーグルトは、低脂質のもの、低糖質のもの、優れた乳酸菌のものなど、様々なメーカーから様々なタイプの製品が発売されている。
400gほどの大型パックのものなら、1パック150円ほどで買えて、値段も安い。
「ヨーグルト」については、「ヨーグルトという人類の叡智の素晴らしさを語る」という記事で詳しく書いている。

バナナ
「バナナ」は、複数の糖質が組み合わさってゆっくり消化されるので、勉強やスペースなど、パフォーマンスを意識する人におすすめのフルーツだ。
満足感があるのにカロリーがほどほどで、ビタミンやミネラルや抗酸化作用があり、乳酸菌のエサになりやすい「オリゴ糖」を含んでいる、まさに「スーパーフード」。
さらに、日持ちがするし、「簡単に皮を剥けてすぐに実を食べられる」という天然のパッケージングがされた状態で、あまりにも人間に都合が良すぎて怖くなってしまうほどだ。
バナナは、年間を通して高温多湿でなければ育てにくいので、寒い冬が来る日本では生育に向いていない。
実は、昔は台湾のバナナなどが日本に入ってきていたが、他の食品よりずっと値段が高い高級品だった。
今は、フィリピンの「ミンダナオ島」という場所などで、バナナが大量生産されていて、それが日本にも輸入され、とても安く食べられるようになった。
ただ、現地の農園では、搾取的な労働環境など、倫理的な問題もあるようだ。
バナナは、人間にとってご都合主義のような食品だが、だからこそ、商機を見た現地の地主や経営者が大量生産し、ここまで安く手に入るようになったという事情がある。
エシカルな面を除けば、バナナは「チート食品」と言えるほど、「栄養価・おいしさ・値段の安さ」において優れている。
「バナナ」ついて詳しくは、以下の記事を参考にしてほしい。

りんご
「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」ということわざがあるが、「りんご」はとても健康に寄与する果実。
「りんご」が優れているのは、「整腸作用」にある。
「腸内環境」は、パフォーマンスやメンタルを左右するので、実はとても大事。腸内環境を改善するためには、十分な量の良質な食物繊維を摂取する必要がある。
りんごは、食物繊維の量が多く、「水溶性」と「不溶性」のバランスも良く、「ペクチン」という整腸作用の高い良質な水溶性食物繊維を含む。
つまり、めちゃくちゃお腹に良い果実なのだ。
さらに、「プロシアニジン」という良質なりんごポリフェノールは、抗酸化作用などの様々なメリットがあるとされている。
「りんご」は、地域や時期によって、安く手に入る場合と、そうでない場合がある。
「高い」と感じるなら無理に買う必要はないが、近くのスーパーなどに安く売っていた場合は、意識して食べてみるといいだろう。
「りんご」の健康効果ついてより詳しい検証は、以下のページにまとめている。

ナッツ
「ナッツ」は、健康の宝石箱のような食品だ。
「クルミ」の脂質には、「良い脂質」とよく言われる「オメガ3脂肪酸」が多く含まれていて、積極的に摂りたい栄養素だ。
他にも、ミックスナッツによく含まれている「アーモンド」や「ヘーゼルナッツ」は、「ビタミンE」などの抗酸化作用のある栄養素や、「マグネシウム」や「カルシウム」などの大事なミネラルが含まれている。
ナッツ類は、「不溶性食物繊維」が多めで、高い整腸作用を持ち、便通をしっかりさせてくれる。
「良い脂質」「食物繊維」「ミネラル」といった重要な栄養素を手軽に摂ることができるし、糖質が低いので、仕事中の「間食(おやつ)」にも最適。
健康やダイエットを考えるなら、砂糖や油で加工されたものではなく、添加物のない「素焼きのナッツ」を食べるといいだろう。
最近は、「素焼きのナッツ」が、スーパーやコンビニや薬局など、どこでも売っているし、簡単に手に入る。
ナッツの中でも、特に健康効果が高く積極的に摂りたいのは、「オメガ3」や「良質なポリフェノール」を多く含む「クルミ」。ただ、味などのバランスも考えて、「クルミが入っているミックスナッツ」をおすすめしたい。
コスパを重視する場合は、大袋に入ったものを買うほうが安い。ダイエットを意識する場合は、食べすぎてカロリーオーバーにならないように、「小分けにされたミックスナッツ」を買うのがおすすめ。
ナッツについてより詳しくは、以下のページを参考にしてほしい。

以上、「現代のチート食材」について解説してきた。
POINT
- 鶏卵
- 鶏肉
- 豆腐
- サバ缶
- オートミール
- ブロッコリー
- ヨーグルト
- バナナ
- りんご
- ナッツ
これらの食品を有効活用すれば、お金のない人でも、健康的な食生活を送ることができるだろう。
当サイト「メンズ美容チャンネル」では、ダイエット食品関連や「タンパク質」や「食物繊維」が豊富な食品一覧の記事をいろいろと書いているので、よければ以下のページも参考にしてほしい。


