ワックスやジェルを使って、毎日「ヘアスタイリング(髪をセット)」する男性は多い。
男性にとってのヘアスタイリングは、女性にとっての化粧と同じようなものだ。
今回は、メンズのヘアスタイリングについて、初心者向けに解説していきたい。
「なんで整髪料をつけると見た目が良くなるの?」とか「スタイリング剤って色んな種類があってよくわからん」など、初心者が抱きがちな疑問を解決する目的で書いている。
雰囲気やイメージだけでなく、ちゃんと「理屈がわかる」解説を心がけたい。
目次
整髪料の仕組みを解説!なぜ見た目が良くなるの?
「ワックス」や「ジェル」など、男性用の整髪料(スタイリング剤)に含まれている成分は、
- 油分
- 水分
- 界面活性剤
- コーティング剤(シリコン、樹脂、合成高分子など)
- アルコール
- 保湿剤
- 防腐剤
- 香料
など。
これらの成分によって作られた整髪料は、
- 形を固定
- 質感を表現
するためにある。(他には、「香り付け」をする製品も多い)
形状面で言えば、「形を固定」して「質感を表現」することで、男性の髪型は、そのままの状態よりも、より洗練されてオシャレに見える。
形を固定する
「整髪料(スタイリング)」の目的の一つは、「形を固定」すること。
そのままの髪は、重力に負けて下に落ち、左右に広がっている状態。トップの髪を立てて「高く」見せたり、サイドの広がりを無くして「細く」見せるのが、ヘアセットの基本。
整髪料を評価するときの基準に、「セット力(固定する力の強さ)」や「キープ力(維持する長さ)」がある。
整髪料の種類には、上から吹きかける「ヘアスプレー」というものもあるが、これはコーティング剤を吹きかけることによって、「キープ力」を高めるために使う。
また、次に説明する「質感の表現」だが、これは「形の固定」と切り離せない。髪は、つまんで束状にしたりすることで独特の質感ができ、これは「束感」とか「立体感」と言われたりする。
質感を表現する
整髪料は、わりと適当に髪に付けるだけでも、油分や水分をキープし、髪がしっとりとして馴染んだ感じの「質感」が出る。
メンズの髪の質感には、「ツヤ感」や「光沢」という言葉が使われることが多い。
また、ワックスなどの質感を説明するときに、「ウェット感(濡れている感じ)」や「マット感(ウェット感の逆で、乾いてふわふわした感じ)」という言葉がよく使われる。
どういう質感になるかは、もともとの髪質と、整髪料の種類による。
整髪料には色んな種類があるけど、名称を覚える必要は特にない
整髪料(スタイリング剤)には、ワックス、ジェル、ムース、グリース、クリーム、リキッド、ポマード、チック、スプレー、ローション、オイル、ウォーター……などなど、たくさん種類があるが、真面目に種類を覚えたりする必要はない。
どのスタイリング剤も、「固める」と「馴染ませて質感を出す」という目的は同じ。
それでも、「名称」から効果が判別できる場合がある。例えば、「ハード」と付く場合は、「形の固定(セット力、キープ力)」を重視している場合が多い。
- 「ハードワックス」は、「形の固定」を重視
- 「ソフトワックス」は、「質感の表現」を重視
みたいな感じで分類される。
また、基本的にはどれも「形の固定」と「質感の表現」を目的とする整髪料なのだけど、セット力が高くパキパキな感じに仕上がる「ジェル」、艶出ししやすくウェットな感じに仕上がりやすい「グリース」、泡立って髪に浸透しやすい「ムース」など、特徴によって名前がついていることがある。
各整髪料の詳しい説明や、おすすめ整髪料の紹介は、別記事で書いているので、興味があるなら下のページを参考にしてほしい。

ちなみに、整髪料は、混ぜて使うことも普通にある。2種類以上のワックスなどを混ぜることで、自分の好みの質感を作り出すというのは、こだわりのある人はけっこうやる。
「どういうふうに固定されやすいか?」「どういう感じの質感になりやすいか?」は、実際に使ってみないとわからないことも多い。
男性にとっての整髪料は、女性にとっての化粧品と同じ立ち位置で、毎日使って試行錯誤することで、自分に合ったものを見つけ出していくといい。
初心者向け!メンズヘアスタイリングの超基本!
「普段からスタイリングをしない」「実はスタイリングがよくわからない」という初心者向けに、基本的な整髪料の使い方を解説する。
整髪料は、そんなに難しいものではない。
ぶっちゃけ、「とりあえず付けてみて、髪に馴染ませて、なんとなく形を整える」というだけでも、それなりに意味がある。
普段から特にワックスを必要としていない、自然なタイプの髪型の人は、「ソフトワックス」と言われるような、「形の固定」と「質感の表現」のバランスがとれた整髪料を使ってみるといいと思う。
「なんとなく髪につけて、質感を出す」なら、ソフト系ワックスが使いやすい。
髪が短めの人や、ツーブロックの人は、ソフト系ワックスだと物足りない場合が多いだろう。毎日ガッツリ髪をセットする人にとっては、「ハードタイプがむしろ基本」みたいなところはある。
髪が短めの人は、初心者でも、ハード系のワックスやジェルを最初に選ぶといい。
短髪、ツーブロックの人は、「ハード系の整髪料をトップ部分に馴染ませて、形を整える」とがいい。それだけでもある程度は形になる。
- 自然に下に下ろすタイプの髪型……「ソフトワックス」で質感を表現
- 短髪で上に上げるタイプの髪型……「ハードワックス」で形を固定
が基本。
なお、当たり前だが、整髪料はメイクなどと同じで、髪にとって良いものではない。当然だが、つけっぱなしにせず、ちゃんとシャンプーで洗い流す必要がある。
キープ力の強いハード系の整髪料ほど落ちにくい傾向はある。とはいえ市販のシャンプーでも普通に落ちるので問題はない。
参考動画の紹介!ヘアスタイリングはYouTubeを見て学ぼう
言葉で説明するよりも、動画を見たほうがわかりやすい!
自分のイメージに近いスタイリング動画を参考にして、見よう見まねでやっていれば、それなりにできるようになるだろう。
今は、素晴らしいことに、プロのスタイリストの動画から、簡単にマネできる毎日のスタイリングを紹介している動画まで、様々なものがYouTube上にある。
初心者でも参考にしやすそうなスタイリング動画をいくつか紹介する。
【初心者向け】ワックスの付け方を成功例・失敗例で比較してみた
ワックスの「付け方」を丁寧に解説。失敗例も出していて、初心者にとっては参考になるだろう。
学生・社会人にオススメ!短髪セットのやり方を徹底解説します!
「ロゼッタハードゼリー」を使った短髪ツーブロックの基本的な髪セット。黒髪の人でもそのまま真似しやすい。社会人でオシャレな髪型を目指すと、短めのツーブロックになることが多い。このスタイリングが参考になる人は多いと思う。
ウェットな質感なら『クックグリース』
「クックグリース」を使うツヤ系のスタイリング。グリースを使うとウェット感を出しやすい。グリースについて詳しくは「ワックスなどメンズ整髪料のおすすめはどれ?種類ごとに解説&定番を紹介」を参考にしてほしい。
刈り上げ2ブロックヘアのスタイリングをポーマドとジェルを使ってパリッと決める方法
「ツヤとか光沢がしっかり出ている系の髪型ってあるけど、どうやってるの?」の回答になるような動画。もとの髪質からの変化、髪に付けるときの手の動かし方など、これを見れば大体わかる。
【GRWM】お出かけ前のヘアセット【男子必見】
オリラジ藤森慎吾がやっている簡単なヘアセットの解説。普通にカッコいい。髪質や髪型が似ている人にとっては参考になると思う。
【ワックスのつけ方】の“すべて”《全国1位美容師の叡智の結晶》
プロのスタイリストの解説。「束感」や「立体感」に関してはこれを見るべき。技術をちゃんと言語化して解説していて素晴らしい。
剛毛な僕の強力セット法【フィジーク髪型】
ネタ動画。毛量がめちゃくちゃ多いが、大量にムースとジェルを付けて無理やりスタイリングしている。これは流石にやりすぎだけど、サイドのボリュームはセットだけでここまで減る。
いくつか参考動画を紹介してきたが、YouTubeの関連動画などから、気になる動画を積極的に見て勉強するといい。
髪型や髪質や理想のイメージごとに、ヘアスタイリングのやり方は違ってくる。
また、キープ力などは、セットした髪で一日過ごしてみてわかることも多いので、試行錯誤が必要だ。
スタイリングに明確な「正解」があるわけではない。オシャレな男性やプロのスタイリストでも、「スタイリングについては日々勉強中」という感じなので、男性のヘアセットは奥が深い。
以上、メンズヘアスタイリングについて解説してきた。
ヘアスタイリングは、その前提として、「ヘアカット(元の髪型)」も重要になる。
カットは、スタイリングと違って、基本的には美容師さんにお願いするしかないのだが、それについても記事を書いているので、よかったら参考にしてみてほしい。

当サイトでは、「メンズ美容の方法」や「メンズ美容アイテム」について、幅広く解説した内容の記事もあるので、よければ以下のページも参考にしていってほしい。

